12.新生活スタート
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
んちっこい子たちと仲良くなったんだなぁ……」
「昨日のパーティーで、シュウお兄さまが、ひ、比叡お姉さまと部屋に……も、戻ったあと、岸田さんと第六駆逐隊のみんなが一緒になってけっこう楽しそうにはしゃいでらっしゃいましたからね……」
理由は分からないが、榛名さんが顔を真っ赤にしながらそんなことを教えてくれた。
「榛名ー。顔真っ赤だけどどうかしたの?」
姉ちゃんが味噌汁を飲みながら榛名さんに突っ込んでいく。榛名さんを見てると、どうも先ほどから僕と姉ちゃんと目を合わせようとしない。目が合うと慌てて視線を外す。
「おばあちゃんみたいなことを言いますケド、榛名は若いのデス」
「はぁ……?」
「思春期デス。そのうち落ち着いてくると思いマス」
……ああ、なるほど。そういえば結婚初夜がどうちゃらこうちゃらって大騒ぎしてたんだっけ榛名さん。
「ぼっ」
「変な榛名だねー……もっきゅもっきゅ」
「比叡……察してあげるのがお姉ちゃんデス」
「?」
なんというか……あれだ。別に何かがあったわけではないが、こんな風にあからさまに反応されるのはひどく恥ずかしい。金剛さんのようにあっけらかんと探りを入れてくるのもなんだか違う気がするし……今メガネを光らせながら我関せずと味噌汁を味わっている霧島さんの、その無反応っぷりが一番ありがたい。
「? お兄さま、どうかなさいました?」
「……いや。霧島さんがどれだけ頼もしいことか……つーか霧島さん、シュウでいいですよ。つーかむしろシュウでお願いします」
「はぁ……ではシュウお兄さま……でよろしいですか?」
「もうなんだっていいです……しょぼーん……」
そんなこんなで妙に気恥ずかしい朝食が終わった後、僕は岸田と待ち合わせして執務室に向かった。姉ちゃんに予定を聞いてみた所、別段用事はないということなので、姉ちゃんにもついてきてもらうことにした。これは、姉ちゃんには隠し事はしないという決意の表れでもある。
「ふーん……比叡もついてきたのはそういう意味か。別にその仲の良さを俺に見せつけるためではないんだな」
「アッハーッ! そんなわけないじゃないですか司令ってばぁー!!」
「いや、ずっと手を繋いでるからな。そんな意図があるのかなーと」
「言ってやれ提督!! 俺の代わりにもっと言ってやれッ!!」
「岸田、キミは黙れ。……まぁ仲がいいのはいいことだ。ケッコンもしたしな」
提督にそう言われ、隣で僕の手を握りながらも顔を真っ赤にしてもじもじする姉ちゃん。そして岸田は自身の分身である提督にすら冷たくあしらわれたことでショックを受けたのか、ミジンコのように手をパタパタ動かしながら泡を吹いていた。僕は、この人間大の微生物がなんだかだんだん哀れに思えてきて仕方なかった。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ