暁 〜小説投稿サイト〜
大海原でつかまえて
12.新生活スタート
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しゃわしゃしている。妹の多摩さんやキソーさんも一緒だ。

「比叡がいない今のうちに、この球磨がめいっぱいなでなでするクマッ!」
「た、多摩にもなでなでさせるニャ……!」
「すまんシュウ……でもこれが球磨姉と多摩姉の愛情表現なんだと思ってくれ……」
「うん。愛情は伝わってくるんだ。伝わってくるんだけどね」

 出撃時から気になっていたのだが、どうも球磨の頭の撫で方は独特で、“撫でる”というより“手のひらをぐりぐり押し付ける”と表現したほうが正しいような感じだ。おかげで球磨の頭の撫で方はとても痛く、髪がぐちゃぐちゃになる。

「どうも球磨姉はお前のことが気に入ったみたいでな。実際、今日もお前が気絶してる間ずっと“消えないなら早く起きて欲しいクマー……みんな待ってるクマ……”てえらくしょぼくれてたしな」
「クマクマっ」

 パーティーがお開きになったあとは、各々好きなように過ごすことになった。僕はもう疲れ果ててしまったので、姉ちゃんと一緒に部屋に戻り、そのまま休んだ。

 それが昨日。歯磨きしてる時に金剛さんが教えてくれたのだが、実はいつものように起こすのもけっこう戸惑ったらしい。金剛さん曰く……

「榛名がやたら“比叡お姉さまとシュウお兄さまの結婚初夜の朝ですよ?!”って言ってワタシを引き止めるから、ワタシまでドアを開けるまで妙に緊張したデース……」

とのことで……確かに……言われてみれば結婚初夜でした……

「ごぱぁ……ところで比叡? ちょっと耳を貸すデース」
「ふぁい。なんですかお姉様? しゃこしゃこ……」

 金剛さんが姉ちゃんの耳元で何かをささやき、その途端に姉ちゃんが顔を真赤にしていた。

「……〜〜ッ?!! あ、あの……何も……」
「oh……結婚初夜のイベントはナッスィングだったデスか……」

 朝っぱらからなんて会話してるんだこの二人は……聞こえなかったフリ気づかなかったフリ……

 ちなみに金剛さんが意を決して踏み込んでみたところ、僕と姉ちゃんはまったく同じ寝相、まったく同じ寝顔でベッドで気持ちよさそうに寝ていたそうだ。寝返りをうつタイミングも、その後尻をボリボリかくタイミングもまったく同じで、金剛さんは僕らの寝顔を見ながら戦慄を覚えたと言っていた。

 昨日のように茶化されながらみんなで朝ごはんを食べていると、提督の声で放送が入った。
『岸田とシュウは朝食後に執務室に来るように。繰り返す。岸田とシュウは朝食後に執務室に来るように。以上』

 食堂のどまんなか、第六駆逐隊の面々がご飯を食べているテーブルで『ぁあッ?! また至福の時間がッ?!』という岸田の声が聞こえ、同時に『岸田くんっ。なんなら私も一緒に行ってあげるわよ?』というかわいらしい声も聞こえた。

「岸田、ずいぶ
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