24話 ティターンズの新鋭 UC0086.1.5
[8/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の道筋を辿るように推移しているように思えるんだ・・・」
もうじき17歳を迎えるただの少年であるはずだった。カミーユはそう思っていた。家庭内のイザコザが自分を反抗期に迎え入れようとしているところに思いっきり水を差したような感触だった。3年前に触れたあの忌まわしい箱が・・・
「皆、争っている場合じゃないんだ。・・・アレは・・・あの箱は、この時代の推移によって引き起こされた負の感情を全て感じ取っている。この7年間の厭戦気分が全てのひとにもたらされなく、継続して争っているのも、あの箱のせいで皆が気付かないだけなんだとオレは思っている」
カミーユは確信していた。フロンタルという見えない巨悪が何をもたらすつもりなのかを日を追うごとに理解を深めていた。ファはカミーユのそんな話をいつも聞いてあげていた。カミーユの傍で見守ってあげられるのは私しかいないと。
カミーユはファの顔を見て、優しく微笑んでいた。
「ファ。君はいつもオレの傍にいてくれる。変わらない顔がいることがオレを休めてくれる。ありがとな」
ファはカミーユの肩をポンと叩き、ブリッジを後にしていった。最初は気恥ずかしいものがあったが、もう慣れたものだった。恋愛というよりも、家族愛のような感情だった。それでもカミーユはファを大事に思い、ファも同じだった。
一方、機体を損傷負いながらも無事に帰投を果たしたジェリドたちは、基地にて訪れていたシロッコと対面した。報告の為にブルタークの基地司令官室に訪れた時、シロッコがブルタークの傍に立っていた。
ジェリドはシロッコという組織のNO2とも目された男を眼前にし緊張が走った。シロッコは着慣れた白の軍服の埃を掃うような仕草で入って来たジェリドに声を掛けた。
「・・・君が、ジェリド君か?」
ジェリドは中将と呼ばれるシロッコに対して最敬礼をした。軍という組織では上官が絶対であるためだった。シロッコは少し笑い、ジェリドの緊張を解くように促した。
「別に取って食べようとも思わん。男はそれ程趣味じゃないからね。しかし、君の才能には興味があるんだよ」
この頃、シロッコはある程度優秀な士官にはシロッコが独自に生成した感応波試験を課していた。シロッコは今後戦を左右するのは所謂ニュータイプの存在と認識していた。
フラナガン機関より流れてきた技術がムラサメ研究所にて形となり、オーガスタ研究所の情報を併合して、ニュータイプという人的兵器が実用化されていた。強制したものも中にはあった。それは人工ニュータイプと呼ばれた。
シロッコはなるべく自然なものを欲した。どうしても仲間に引き込めないときには強制を課したりした。あのララァのように。
ジェリドはシロッコの自分に興味があるという発言に戸惑った。何の話か分からなかったから
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ