11.帰還
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うと、ゴーヤが意識が無くなった僕をてれたびーずまで運んでくれたとのことだ。当初は姉ちゃんに指輪を渡したことによる元の世界への帰還が危惧されたのだが、その兆候が全く現れなかったようだ。まぁ、今こうしてここにいるんだもんな。
長い時間呼吸が出来なかったことによる意識不明の僕だったが、戦闘海域を離脱した後、姉ちゃんの懸命な救命措置のおかげでなんとか息を吹き返したようだ。僕はまったく記憶にないのだが、姉ちゃんが人工呼吸をしてくれた後に、一度僕は目覚めたらしい。そして姉ちゃんに対して『姉ちゃん。そういうことは意識があるときにやってくれ』とえらくハッキリした口調で言い、再度意識を無くしたという話だ。救命措置……人工呼吸……ゴクリ。
「いやそれ緊張したの、言われたお姉ちゃんだよ?!」
「だって、やだ……僕の……はじめて……」
「ここにきてまだ痴話喧嘩でちかッ!! めきめきめきッ!!」
「いだだだだだたッ?!!」
「ひぇぇえええ?!!」
その後は加賀さんの索敵のおかげで敵艦隊と遭遇することなく鎮守府まで帰投出来た。帰投した僕達8人を鎮守府のみんなは暖かく……いや激しく出迎えてくれた。特に激しかったのは、同じく金剛型戦艦の榛名さんと霧島さん。僕は怪我は負ってなかったものの、ゴーヤの足四の字が響いて中々歩くのが大変になってしまい、姉ちゃんが肩を貸してくれていた。そんな僕達の姿を見るなり、榛名さんと霧島さんが勢い良く僕と姉ちゃんに抱きついてきた。
「比叡お姉様、おかえりなさい!」
「ありがとう榛名!」
「そしてシュウくんとのケッコンおめでとうございます!!」
「う……ひ、ひぇぇえ……」
「珍しい光景ですね……比叡お姉様が顔を真っ赤にして照れてます……」
「いえーす! シュウくんが気付いてから、ずっとこんな調子ネー!」
そういやずっと姉ちゃんはこんな調子だ。横顔でしか確認は出来ないが相当恥ずかしいようだ。姉ちゃん耳まで真っ赤になってる。
榛名さんが僕の顔を覗きこんできた。この人も、姉ちゃんや金剛さんに負けず劣らず、とても綺麗な目をしている人だ。ややブルーがかってる姉ちゃんたちに比べると、純日本人という感じの、少しブラウンがかった黒目が印象的だ。
「シュウくん! 比叡お姉様を助けてくれてありがとうございます! ケッコンしてくれてありがとうございます!!」
「い、いやははは……でも僕も、姉ちゃんに助けられたし」
「これで名実共に、この榛名と霧島もシュウくんのお姉ちゃんですね!!」
榛名さんのこの言葉を聞き、ねえちゃんが別の意味で顔を真っ赤にする。耳から水蒸気が『ピー!!』とけたたましい音を立てて吹き出さん限りの勢いだ。
「シュウくんは私の弟なの!!」
「でも比叡お姉様の弟なら、私と榛名にとっても弟なので
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