勝ってよ!!
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ンはリオンさんの造形の速度に驚いている。彼の考えとしてはリオンさんほどの速度は出ないだろうからそこを突こうとしていたのに、ほとんど変わらない上にバランスもほぼ完璧。完全に真似できていると言えるだろう。
「悪いなレオン。だが、それがお前の限界だ」
「っ・・・」
リオンさんは絶対にそんなこと言わないとレオンはわかってはいるのだろうけど、いかんせん声や口調が似ているせいで実は本人もこう考えているのではないかと考えてしまっているようではっきりと、誰の目から見てもわかるほど動揺している。
「アイスメイク・・・白虎!!」
リオンさんはすぐさま氷の虎を作り出してレオンに向かわせる。レオンは反応が遅れてしまい、造形の体勢にすら入ることができずに突進を喰らってしまう。
「ぐはっ!!」
ふらつくレオン。そんな彼に追い討ちをかけるようにリオンさんは攻撃を加えていく。
「アイスメイク・・・蛟!!」
蛇のように細長い体をした4本足の動物がレオンの腹部を捉え、たまらずレオンは地面へと倒れる。
「くっそ・・・」
しかしレオンはすぐさま立ち上がり両手を合わせる。彼は一切諦める様子などなく、ただひたすらに勝負を挑んでいく。だけど・・・
「かなり厳しいな・・・」
「そうだね」
俺とソフィアがそう言う。俺たちすぐそばで見ている人間にはわかる。レオンはリオンさんにとてもじゃないがまともにぶつかり合って勝てるほどの要素が見当たらない。
MPFの時の数値を考えるとパワーに関してはレオンの方が上にいると考えていいだろう。だけど造形の速度、バランス、そして操作の能力。それらを考慮するとレオンじゃとてもとても太刀打ちできる相手ではない。それが例えリオンさんの真似をしているグラシアンさんであっても。
「アイスメイク・・・・・」
恐らくレオンも心のどこかでそんなことはわかっていると思う。だけど彼だって戦わなきゃいけない時がある。自分を支えてくれたギルドの皆さんのために。
「スノーライオン!!」
レオンは得意のライオンの造形で対抗する。それを見たリオンさんは瞬時に次の手へと移行する。
「アイスメイク・・・白虎!!」
レオンが出したライオンとほほ同じ大きさの虎で迎え撃つ。両者共に力がある造形だからなのか、下手に操縦して回避させながら相手に直接ぶつけるということはせず、真っ正面から互いの造形をぶつけ合う。
ガァンッ
ぶつかり合う2人の造形。その衝突に耐えて敵への突進を続けたのは
「ガァァァァッ!!」
レオンの造形だった。
「ほう」
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