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SAO二次:コラボ―Non-standard arm's(規格外の武器達)―
prologue:Unexpected weapon(予想外なる武器)―――episode1
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作りをした通路だったのだ。
 巡回する見回り役の足音が聞こえる事からするに、どうやら単に話し合いの場を設ける為の、一時的なアジトではないと言う事も、第三者からですら理解出来た。


 時折曲がり角に身を伏せ、警備の目を躱しながら、二人は段々奥へと進んでいく。

 進むたびに錆びれた外観から手入れされた壁、果ては機械的な基盤の埋め込まれた物にまで変わり、中々にきな臭くなってきていた。


 と、順調に進んでいた矢先、その歩みが突然ストップする。


「なる程……分かれ道だ」


 少年の言う通りY字路が目の前に開けており、道を間違えれば延々と迷ってしまったり、敵と遭遇してしまう確率をぐっと高めてしまう。

 ならどうすべきかと、少年も少女も考えていた。

 そして、少女からまず口を開いた。


「私、【策敵】スキルあげてないですよ?」
「俺は上げてる。だから任せとけって、アマリ」


 スキル―――それは普通、資格や検定の話なら出て来こそすれ、こんな状況では先ず飛び出さない単語。
 なのに彼等は別段不可思議な事でもなく、むしろ日常的なモノの様に口に出した。


 そんな謎ばかり呼ぶ会話をする、“アマリ”と呼ばれた少女の問いへと、少年もまた同等の返答を返して答える。


「了解したです、リュウ殿」
「……その呼び方、やめねぇ?」
「あはー♪」
「いや、あはーじゃ無くてな?」
「うふー♪」
「笑い方の問題じゃねえって……!? もういいや……コッチだ」


 微妙な敬称をつけられて呼ばれた少年・“リュウ”の頼みも、アマリは涼しい顔―――もとい、フワ〜ッとした笑顔で受け流してしまい、リュウは怒鳴る事が出来ないでフラストレーションを溜めながら、諦めからがっくり肩を落とした。


 緊張感に欠ける一幕の後、嘘のように張り詰めた気を放ちながら、【策敵】スキルらしきものを頼りにリュウが先行し、再びアマリがその後に続く。

 不自然なまでに見張りの巡回が少なくなり、徐々に徐々に道幅や向きが固定され、正体は不明ながらも『何か』に近付いている事だけは予感させてくる。


 やがて照明すらも規則正しく配置され、基盤剥き出しだった手抜きな作りの壁も、SF染みた装いへと変わっていき、其処までしてきれいに保たれている理由が…………その姿を現した。




 三十人は集まっている、余りに巨大なホールが。


「……ビンゴ中のビンゴ、ってな」
「……ドキドキしてきたですー」


 其処にはテロリスト集団と思わしき者達が、入る際のバラバラさをスズメの涙ほども連想させない、軍隊よろしく整然と並んでいる。
 彼等の目の前には長方形の台が置かれており、一段高くなっているその場所に
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