6部分:第六章
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った。
「しかもノーヒットノーランよ。マジックも減ったし」
「何なんだよそれ」
流石にこの事態には怒りを露わにする。
「斉藤や桑田が一番凄い時でもそんなのなかったぞ」
完封負けはしょっちゅうでもヒットの一本や二本は出ていたのである。あのどうしようもない暗黒時代、草野球以下とまでこきおろされ、高校野球の優勝チームの方が強いとまで言われていたあの時代でもだ。だが今日はどうしたことか。何とも絵になる敗北であった。
「やられちゃったね」
「何かの間違いだこれ」
にこにことしている沙世にムキになって反論する。
「何でこんな時期にノーヒットノーランなんだよ」
「だって中日なんだもの」
「ナゴヤドームが悪い」
トラは主張する。
「あの球場には絶対に何かある」
「巨人に負けた時には東京ドームに言ってなかった?」
「まあそれは」
「それでヤクルトに負けた時はキャッチャーが超能力でボールを操作しているとか」
およそ妖怪とは思えない発言である。
「他には何があったっけ。マシンガン打線と大魔神がどうとか」
「うう・・・・・・」
「鯉は食ってやるとか言って鯉こくも食べてたよね」
とかく全ての球団に見事に負け続けていたのがかっての阪神であった。その負け方が素晴らしかったのだ。縦縞のユニフォームは勝利と同じ位の敗北が似合うのである。
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