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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第492話】
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最悪命を落とすかもしれないと彼女の第六感がそれを告げた。

 天を仰ぐその手が握り拳に変わる、勢いを着けずそのまま彼女の腹部へと一撃を叩き込もうとしたその時、鈴音と襲撃者に割って入ったのはヒルトだった。

 彼女を庇うように一撃を受け止める、ぺたんと尻餅をついた鈴音はヒルトを見上げた。

 残ったエネルギーを使い果たしたのか、完全に機能を停止させた襲撃者、それを確認するとヒルトは鈴音の方へと振り向く。


「鈴音、大丈夫か?」

「あ、ぅ……ぅん」


 手を差し伸べられ、勢いつけてヒルトは鈴音を立たせた。

 一方の鈴音は、心臓の鼓動が高鳴るのと顔が赤くなるのを感じ、内心テンパりそうになっていた。

 だが、鈴音の内心とは裏腹に、ヒルトは襲撃者の機体からコアを抜き取る、また再起動されて暴れられては堪らないからだ。

 抜き取ったコアを鈴音へと手渡すヒルト。


「鈴音、コアを頼んだぞ――てか、顔が赤いぞ?」

「へ……? き、気のせいよバカッ!」


 気のせいには見えないと思ったヒルトだったが、その言葉は呑み込んだ。


「……まだ他のアリーナでは戦闘が続いてる。 セシリア、鈴音、二人はそのコアを持って退避するんだ」

「ヒルトさんはどうなさいますの? ――まさか……」


 セシリアはヒルトがそのまま継続して戦闘に向かうのを悟る、鈴音もそれを感じ、瞼を閉じた。


「――ヒルトさん、御武運を……」

「ぶ、無事に帰ってこないと、許さないんだからねッ!!」


 二人はそう伝えるしかなかった、本来ならヒルトと共に向かいたい――だが、機体のシールドエネルギー切れ及び内部ダメージの蓄積が酷いため、仮に着いていっても足手まといになるのは明白だった。


「大丈夫だ、無茶はしないさこれがな。 ――じゃあ、行ってくる!」


 そう言い、そのままアリーナを覆うシールドバリアーを突破し、ヒルトは新たなアリーナへと向かった。

 残された二人はただただヒルトの無事を祈るだけしか出来ない事に、悔しい思いをしたのだった。
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