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魔王の友を持つ魔王
§XX-一周遅れのクリスマス
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ニスカサンタだと馬鹿てめぇ、ふざけてんのか、ァア!!? 馬鹿野郎最高じゃないか!!」

 変態でした。

「とと、話が逸れた。だがな黎斗君。ミニスカサンタに興奮するのは三流のエセ紳士なのだよ」

 したり顔でコーヒーを飲んで――――苦さで顔を顰めつつ高木が言を補足する。

「第一ミニスカ? ハッ、こんな寒空の下、ミニスカなんて身体冷やすだろうが。女性の身体を痛めつけて喜ぶ野郎など言語道断よ。まぁ屋内ならアリだがな」

「お、おぅ」

 感心すれば良いのかドン引きすれば良いのかわからない。どうしよう。

「で、頼むよ。プレゼントくれ」

「だからなぜそうなる……!!」

 結論に至るまでに過程を数段ぶっとばしてやいませんかね?

「僕にもわかるように話して」

「「「考えるな、感じろ」」」

「……おーけー。僕が馬鹿だった」

「「「やっと気づいたか」」」

 なんでこいつらとメイド喫茶にいるんだろう。死んだ眼をした冴えない少年が、窓ガラスからこっちを見ていた。


○○○


「で。それで恵那に頼むかなぁ普通……!!」

「なんかもう、色々最っ低ですよマスター。自覚あります?」

 恵那以外に頼む相手が見つかりませんでした。玻璃の媛? 流石にメイドやらせておいてサンタも、とか酷だろう。羅濠教主でも良かったのだがコスプレ教主を三馬鹿と合わせたらどうなるか想像するだに怖すぎる。となれば、選択肢など無い。

「うん。自覚あります……」

 サンタコスをしてくれ、などと一歩間違えばセクハラ必至な発言。恵那以外に出来るものか。

「……まぁ、れーとさんが言うならするけどさ。っていうかメイド服とかれーとさん好きなの?」

「ちょ、恵那さん!!?」

「マジで!? あ、後半に関してはスルーで」

「マスターぁあ!!」

 断られて三馬鹿に「やっぱ無理だったわ☆ごめんねテヘペロ」するつもりだったのだが。まぁこれはこれでいいか。

「……やるなら徹底的に、だな」

 せっかく恵那が協力してくれるのだ。ならば、全力でやるしかあるまい。日付を見る。あと一週間。間に合うかどうか。

「ちょっと出かける。クリスマスまでには戻れると思う」

 それだけ言って、防寒具を着る黎斗。ブーツにマスクにサングラスで怪しい人間っぷりが半端ない。そのまま外へ走り出す。

「は? え?」

「マスター、学校はどうするんです? ……って聞いてないですあの人は全く」

「エルちゃんいつも苦労するね……」

 疲れたようなエルの言葉に恵那が苦笑する。

「でもサンタコスってどこ行けば売ってるんだろ?」

 コスプレ専門店行ったことないからわかんないなぁ、などと呟く
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