暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
架の休日<前編>
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「・・・というわけなのよ。」
「いや全然分からん。」

 ヴァロナは真顔で首を横に振った。
 
「なんでよ!何が分からないってのよ!?」
「いや分かったことと言えば架が実はモテてたってことだけなんだが?」
「そこよそこ!!」
「はあ?」

 ヴァロナはまた首を傾げる。
 実際はルイズの言いたいことは何となくだが理解している。が、それをなぜ自分に相談するのか分からなかった。

「仕方ないじゃない。その、こんな気持ちになるの初めてなんだから。他の女子に相談するわけにもいかないし、そのほかによく話せる相手って言ったらアンタくらいなのよ。よく他の生徒の話も聞いてるみたいだし。」
「・・・・・。」

 可愛らしくうなだれるルイズ。それをヴァロナはやや冷めた目で見ていた。
 彼女の言う通り、生徒からの人気が高い方にある彼はよく生徒から相談ごとが持ち込まれる。その中でも、特に女子は今のルイズのような態度になることが多い。故にルイズの言うこんな気持ちが所謂『恋心』と『嫉妬』から来るものだとは容易に理解できた。
 だがヴァロナからしたらそんなくだらない(・・・・・)感情は頭では分かっても精神的(こころ)では分からなかった。何せ生前でさえ、そんなものは無縁だったのだから。
 なので正直、この手の話にはウンザリしてしまっていた。そんな思いが顔に出ていたのか、それに気づいたルイズが噛みついてきた。

「何よ!自分はミス・ロングビルとイチャイチャしていたクセに!」
「それに関しては完全にデマなんだがな・・・。」

 ヴァロナは深いため息をつく。
 ロングビルがまだ学院にいたころ、この二人が付き合っているという噂が流れていたのだ。ただし、両者は否定している。(片方は赤面で慌てながら、もう片方は淡々と)
 
とにかく、と切り替えるようにヴァロナが諭すように言った。

「俺じゃあ、的確な意見は出来ん。というか、そういうのは他人の意見はあまりアテにならん。自分で考えて、答えを見つけろ。」
「どうして?」
「他でもないお前だけの問題だからだ。自分の気持ちと向き合ってみろ。どれだけ時間がかかってもいい、じっくりとな。」
「そう、ね。」

 言ってからヴァロナは後悔した。聖杯戦争が始まればそれどころではなくなるのに時間がある、と答えてしまったことに。
 そうあって欲しいのかと、この緩い時間に馴染んでしまっている自分を思うとつくづく自分が嫌になる。
 だがルイズはある程度満足したようだった。

「ありがとうヴァロナ、ちょっと焦ってたみたい。」
「全くだ。こんな話は金輪際止めてくれ。」

 しかめっ面でしっしと追い払うように手を振るヴァロナであった
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