暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
架の休日<前編>
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今分かっていることは、このトリステインにいるサーヴァントは恐らく自分たるアサシンとセイバーの二人だけということぐらいだ。

「残ったクラスはアーチャー、ライダー、キャスター、バーサーカー・・・。召喚されていないのが後一人として、さてそれが誰なのやら・・・」

 セイバーといえば、あれも相当変わっているな。と、思考を切り替えた。

 影沢架
 英霊でもなくしかも生きた状況でサーヴァントとして召喚された一見(・・)普通の少年。
 だがその実、彼を『普通』と呼ぶには異常であった。

 彼は戦い慣れ過ぎている。

 その身のこなし、剣筋、状況判断、サーヴァントになったことで得た身体強化を差し引いても一朝一夕でどうこうなるレベルではない。
 現にランサーと打ち合って生還している。まあ向こうも本気ではなかっただろうが。
 さり気なく聞き出してみようか、と思ったが止めた。逆に詮索されるのを恐れたのであった。自分の過去なんてマスターであるコルベールにすら話してないのだから。

「いずれ時が来て向こうから話すのを待つしかないか。っと」

 噂をすればなんとやら、近づいてくる気配にヴァロナはドアの方へ目を向ける。

 コンコン

 ノックの後部屋に入ってきたのは先ほど考えていた人物に最も関係する人だった。

「珍しいな、お前が一人なんて。しかも萎れた顔なんぞしおって。」
「・・・ちょっと、相談いいかしら。」

 入ってきたのはルイズだった。






「で、何があったんだよ?」
「それがね・・・」

 適当な椅子に座らせ、ヴァロナが問うた。
 
 因みに、表向きの二人の関係は「教師の助手と生徒」であるため、普段は互いに敬語で話しているが、周りに誰もいない時はこうして普通の口調で話す。「気軽に話せる奴は一人でも多い方がいい」というヴァロナ自身の希望だった。
 
 今、二人の手元にはヴァロナが淹れ直した紅茶の入ったカップがある。彼が雑に淹れ直した紅茶はやはりお世辞にも美味いとは言えなかったが、それでも心を落ち着かせるためルイズは上品に飲んだ。
 ふぅ、と一息ついてからルイズは事情を話し始める。

「カケルのことなんだけど・・・。」
「何だ、また喧嘩でもしたのか。」
「そうじゃないわ。そうじゃないんだけど・・・。」

 煮え切らない答えにヴァロナはルイズに目を向ける。こんなに落ち込んだ彼女を見たのは、彼女がまだ一人だった時クラスの皆にバカにされている時以来だった。
 と、ルイズが年相応の乙女だということに気付き、さらに架がらみとなるともしかしてと思い一応聞いてみた。

「お前、アイツに惚れたか?」
「!!??」

 椅子の上で飛び跳ねそうな勢いでビクッとなった。

「・
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