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神風と流星
Chapter2:龍の帰還
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と証明されたのは、次の瞬間だった。

「もしかしてシズクちゃん、降りられないんじゃないのか?」



 そういえばシズクは壁を駆け上がって龍の背に飛び乗ったわけだが、帰りはどうするのかなんて俺は考えてすらいなかった。そして、冷静に考えれば誰にだってわかり切ったことだった。

 龍たちは地上から遥かに遠い上空を飛んでいる。あんなところから飛び降りれば俺たちのちっぽけなHPバーは即座に消し飛ぶ。

 では地上に近づいてくるのを待つ?不可能だ。タゲを取り続けているシズクが空にいる以上、龍たちはこちらまで来ない。

 行きと同じように壁を使うの無理。登りならともかく、降りは勢いがある。着地に失敗して地面に衝突、そのままブレス攻撃の追い討ちで死亡確定だ。

「いやいや、いくらなんでも帰り道くらい考えてるに――――」

 決まってる、とは言えなかった。

 ついに限界が訪れたのかシズクの身体がよろめく。すぐさま立て直せたから何とかなったが、あと少しでも遅れていたら攻撃が当たっていた。

 それでもシズクは戻ってこようとしない。本当に、戻れないのだ。

「――――」

「そ、そうだ!お前の《投剣》でタゲを取ってこっちに引き寄せればいいんじゃないか!?」

「……それは出来ない。シズクが乗っている龍はあいつを振り落とすためにかなり激しく動いてる。あれじゃ、狙いをつけられない」

 ブレスのチャージをするときなら流石に止まるだろうが、シズクが上にいる時にブレスを使う龍はいない。

「……」

「ど、どうするんだよルリ。このままじゃシズクちゃん……」

「わかってる」

 どうする。どうするどうするどうするどうする。

 どうすればいい。どうすればシズクを救える――――!?

 あれもダメ。これも無理。それも不可能。

 片っ端から手段を挙げていき、それを却下する。

 数百にも昇るだろうその行為を続け、もう諦めそうになったとき。

 いつも通りの、少女(えいゆう)の声が聞こえた。

「ルゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウリィィィィィィィィイイイイくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅんんんんん!!!!!!!!!!!!!」

 聞こえた声に反応して顔を上げると、遠い空にシズクがいる。

 遠すぎて顔も見えないはずなのに、何故かこちらに視線を向けているような気がして。

 そして、その視線が訴えている内容もわかってしまった。

「正気かあのバカ……!」

 だが、今回ばかりは仕方ない。他に方法がない。だから、

「乗ってやるよ。お前のプランに」

 タイミングは予測できる。シズクが次の攻撃を凌ぎ、跳ぶために駆け出したその瞬間。

「……ッ!」

 俺もまた、駆け出して
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