ごめん・・・
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とにかくきつかった。ラウルを見るたびにあの記憶が甦ってきてしまい彼を見ることがまともにできなかった。
おまけにそれが原因で俺は滅神魔法を使おうとすると体が強ばり、金縛りに合うようになってしまったのだ。
そんな俺を見てなのか、ラウルはある行動に出た。
「レオ〜ン!!」
「どわっ」
後ろにずっしりとくる重み。声はラウルのものだったのに重さは全くの別物。意味がわからず後ろを向くとそこには人間の姿になっているラウルを見つけた。
「ラウル・・・なの?」
「うん!!どう?これならレオンもラウと一緒にいても大丈夫でしょ?」
こんなに気を使わせていたのか・・・俺はそう思うとカッコ悪い気がして、頑張ってラウルに慣れようと心がけた。
ラウルの努力のおかげで次第に猫型のラウルを見ても問題なく過ごせるようになった。だけど、それでも滅神魔法を使えるようにはなれなかった。
「どうしよう・・・」
以前と同じ“期待外れ”の人間に逆戻り。そんな俺を支えてくれたのはギルドのみんなだった。
「滅神魔法がダメなら違う魔法を使えばいい。安心しろ、俺が教えてやる」
リオンくんは俺に造形魔法の基礎から教えてくれた。さすがに街中で裸になるのはどうかと思ったけど、それがやり方なら仕方ないと思い懸命についていった。
ジュラさんやシェリア、ラウルやユウカさんたちは練習相手になってくれた。実践形式で使えるようにした方が俺には合うと思ったかららしい。
そして数ヵ月後に俺は造形魔法を修得した。リオンくんの速度やバランスには遠く及ばないが滅神魔法の名残のある黒い氷と本来の造形時の氷である赤い氷、双方を使いこなしてより感覚を研ぎ澄ましていった。
全ては支えてくれたみんなに恩返しするために・・・
シリルside
「レオン・・・」
レオンにはそんな辛い過去があったのか・・・正直何事にも興味を持っていないようなあの表情や態度を見て誤解していた。きっとそんな過去があったから彼は今みたいな感じになった・・・いや、演じているのかもしれない。
「才能がなかった・・・か」
グラシアンさんはそう呟くとニヤリと笑う。
「最初のところ以外はおおよそお嬢から聞いた通りだった。お前にはそのでき損ないの造形魔法しかない。つまり・・・俺には勝てない」
「かもな」
否定することなくレオンはそう返す。
「でも俺は戦うよ・・・例え滅神魔法が使えなくても、みんなが手伝ってくれたおかげで手にいれた造形魔法があるから」
レオンはそういい両手を合わせる。
「アイスメイク・・・・・スノーライオン!!」
普段のよりも大きなライオンがグラシアンさんに飛び込む。たが彼は変化
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