ごめん・・・
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バレないように接近していく。奴等は周りを全く警戒していないようですんなりリーダーの男に張り付くことができた。
「おい」
「あぁ?」
声をかけると男はこちらを振り向く。その振り向く力も利用して覚えたての魔力を拳に込めて頬にパンチをお見舞いする。ここまではよかった。だが問題はその後だ。俺はかなり軽く殴ったつもりだったのに男の体は宙を舞い、木々を数本倒しながら飛んでいく。
「ぐはっ・・・」
数メートル飛んでいった男は白目を向いていて気絶する。それを見た男たちは殴り飛ばした男・・・つまり俺を見て顔中に血管を浮かべていた。
「テメェ!!何しやがる!!」
「俺たちに手ぇ出してどうなるかわかってんのか!?」
女の人を助けて逃げる作戦だったのにまさかの失敗。今から逃げようにも周りは完全に囲まれてしまった。
「やべぇ」
いくら魔法を使えるようになったとはいえ所詮は付け焼き刃の魔法。しかも相手は十数人。勝ち目なんてあるわけがない。俺はボコボコにされるのを覚悟した。しかし・・・
「ごはっ・・・」
「いてぇ・・・」
「こいつ・・・」
「マジかよ・・・」
数分後、立っていたのは俺の方だった。しかも全くの無傷で。
予想外のことに俺も驚き立ち尽くしていると、捕まっていた女の人が俺のもとにやって来る。
「あの・・・」
「え?」
「助けていただいてありがとうございます!!」
深々と頭を下げる女性。俺は恥ずかしかったからその人に頭を上げてもらうと女性は俺にこう言った。
「もしかして依頼を受けて来てくれた魔導士の方ですか?」
それを聞いて思わず崩れ落ちそうになった。これ依頼出てたのかよ・・・お金が全くない俺にとってそれは大変勿体ないと思わせる一言だった。
助けたという点では最高だろう、しかしこれは全くお金にならない仕事。不謹慎だとはわかってる。だけど落ち込まずにはいられない。
「いえ・・・ただの通りすがりの者です・・・」
落胆しながらそう言うと女性は驚いた後思いもよらない提案をしてくれた。
「もしよければ、私たちの街でお礼をさせては頂けませんか?もちろんお金も差し上げます」
たぶん俺はかなり笑顔になっていたに違いない。それぐらい嬉しい提案だった。お礼っていえば食事とかが出るだろうしおまけにお金までもらえる。もちろん俺はその誘いを受けて一緒に村までついていった。美味しい食べ物と今後の生活費。ルンルンと軽い足取りで俺は先程倒した山賊たちに悩まされていた村へと向かった。
リオンside
レオンが家を出てから2年と数ヵ月。グレイが消息不明になってから5年ほど経った頃だったろうか。俺たち|蛇姫の鱗《ラミ
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