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い》に扱わせているけど、結構重要な場所なのだ。
それゆえにただ傭兵に扱わせるだけではなく、正規兵の見張りが倉庫に常駐している。
そう…ここで寝泊まりしていれば、過剰な手出しはしないのだ。
傭兵だって雇われの身、問題起こして解雇されたくないものね。
「(とは言え……毎朝必ず待ち伏せされちゃうんだよなぁ…)」
マシはマシだけど、それでも結局は絡まれる。
寝床を求めて砦内をウロウロするよりは睡眠が取れるのはいい…いいんだが、根本的解決にはなっていないだろう。
今日も今日とて、この傭兵三人組に捕まった自分はまた酷い事をされる。
嗚呼…今日は何をされちゃうんだろう…。
パシリかなぁ…。
それともお腹に大ジャンプ着地されるのかなぁ…。
練習とか言って、逆さ吊りして矢の的にされるのも嫌だしなぁ…。
あ、でも剣で切りつけるのは勘弁してほしいかなぁ…あれ、痛いし。
襟首と腕を取られ、引き摺られるようにどこかで連れて行かれる自分。
朝ご飯…食べられるのだろうか…。
ーーー。
「ふぅ……逃げ切った」
僕は額の汗を拭った。
外を一周し、砦の中を隠れながらウロウロして何とか連中の目から逃れる事が出来た。
ちょっと大げさではあるが、それくらいしないと完全に撒くのは難しいからだ。
何しろ…敵は砦内の傭兵ほぼ全員である。
初日でわかった事だが…どうも、自分は傭兵達に苛めの対象として見られている。
苛めに参加していない傭兵でも僕の姿を見たら、面白がって告げ口をするらしい。
だから砦内の傭兵の目からも身を隠しながら逃げないといけなかった。
同じ傭兵なのに、味方がいない……悲しい。
「はぁ…今朝もついてない…」
もうこの数日の日課となっている苛めではあるが、我が身の不幸に溜息が出る。
今朝なんて…砦の屋根から突き落とされた時はどうしようかと思った。
砦の屋根から受け身を取る事も出来ずの自由落下。
頭から落ちたものだから首から上が凄く痛かったけど、突き落とされた先には誰もいなかったので逃げ出せたのが唯一の救いだ。
何はともあれーーー。
僕は砦内の食堂に辿り着けた。
朝ご飯がまだ食べられる時間帯であり、なおかつ他の傭兵とかも見当たらない頃に来たようだ。
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