暁 〜小説投稿サイト〜
暴れん坊な姫様と傭兵(肉盾)
09
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
い》に(あつか)わせているけど、結構重要(じゅうよう)な場所なのだ。
 それゆえにただ傭兵(ようへい)(あつか)わせるだけではなく、正規兵の見張りが倉庫に常駐(じょうちゅう)している。

 そう…ここで寝泊まりしていれば、過剰(かじょう)な手出しはしないのだ。

 傭兵だって雇われの身、問題起こして解雇(かいこ)されたくないものね。

「(とは言え……毎朝必ず待ち()せされちゃうんだよなぁ…)」

 マシはマシだけど、それでも結局は(から)まれる。

 寝床(ねどこ)を求めて砦内をウロウロするよりは睡眠が取れるのはいい…いいんだが、根本的解決にはなっていないだろう。
 今日も今日とて、この傭兵(ようへい)三人組に捕まった自分はまた酷い事をされる。


 嗚呼…今日は何をされちゃうんだろう…。


 パシリかなぁ…。

 それともお腹に大ジャンプ着地されるのかなぁ…。

 練習とか言って、(さか)さ吊りして矢の的にされるのも嫌だしなぁ…。

 あ、でも剣で切りつけるのは勘弁(かんべん)してほしいかなぁ…あれ、痛いし。


 襟首(えりくび)と腕を取られ、引き()られるようにどこかで連れて行かれる自分。
 朝ご飯…食べられるのだろうか…。



ーーー。


「ふぅ……逃げ切った」

 僕は額の汗を拭った。

 外を一周し、砦の中を隠れながらウロウロして何とか連中の目から逃れる事が出来た。
 ちょっと大げさではあるが、それくらいしないと完全に()くのは難しいからだ。

 何しろ…敵は砦内の傭兵(ようへい)ほぼ全員である。
 初日でわかった事だが…どうも、自分は傭兵(ようへい)達に苛めの対象として見られている。
 苛めに参加していない傭兵(ようへい)でも僕の姿を見たら、面白がって()げ口をするらしい。
 だから砦内の傭兵(ようへい)の目からも身を隠しながら逃げないといけなかった。

 同じ傭兵(ようへい)なのに、味方がいない……悲しい。

「はぁ…今朝もついてない…」

 もうこの数日の日課(にっか)となっている苛めではあるが、我が身の不幸に溜息が出る。
 今朝なんて…砦の屋根から突き落とされた時はどうしようかと思った。

 砦の屋根から受け身を取る事も出来ずの自由落下。
 頭から落ちたものだから首から上が凄く痛かったけど、突き落とされた先には誰もいなかったので逃げ出せたのが唯一(ゆいいつ)の救いだ。


 何はともあれーーー。

 僕は砦内の食堂に辿(たど)()けた。
 朝ご飯がまだ食べられる時間帯であり、なおかつ他の傭兵とかも見当たらない頃に来たようだ。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ