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に…」
「おう、そんなに急ぐなよ。 俺達との仲だろ」
うひー! 仲って何、仲って!?
別段仲がイイわけではないのに、向こうから勝手に絡んでくる程度のもの。
それでもこっちとしては迷惑極まりないので、絡まれても困るから回避しようとしている。
しかし、向こうは勝手に追いかけてくる上にこの待ち伏せ……ホントに厄介だ…。
「でも…だからってこんな所にまで来なくてもいいんじゃないかな〜、と僕は思うんですけどぉ…」
「あぁ? 何か言ったか?」
「あ、いえ…何でも無い、です…」
「お前が逃げるのが悪いんだぜ、こんな所で寝泊まりしてて…俺達を舐めてんのか?」
こんな所とは失敬な。
一応、ここは砦の要所…物資を保管している倉庫だ。
そしてついさっき自分が起床してきた場所でもある。
……はい、実は其処…自分の寝床なんです。
こんな事を言ったら意味不明に思われるが…それほど深くなく、語れば短い浅〜い訳がある。
実はそこの傭兵三人組に初日から絡まれてしまったのが原因だ。
最初は傭兵達が雑魚寝してる空き広間があって、そこで傭兵の一人として寝床にしていたのけれど……寝ても覚めても三人組に酷い目に遭わされてろくに寝る事が出来なかったのである。
もう二日目から寝床に困る事になり、あちこち転々として行き着いたのがこの倉庫だ。
要するに、コソコソと逃げ回って行き着いたのがここだと言う事だ。
戦場だけじゃなくて、ここでも逃げ回る羽目になっている自分って……。
だけど、目を付けられていようとも、待ち伏せされていようとも、自分はここ以外に寝床を変えるわけにはいかなかった。
「え〜と…ぼ、僕の仕事場はここな訳ですし…ねっ?」
「ねっ?じゃねえよ! ふざけてんのか!? 寝床を変えろって言ってんのがわかんねぇのかよ!?」
「ひいぃっ!!」
沸点の低い怒りを露わにして、力任せに僕の胸倉を掴んできた。
何と言おうとも、ここだけは譲れない一線として悲鳴を零しながらも頷きはしなかった。
倉庫で仕事にして、倉庫で夜を明かすのは自分にとって安全策なのだ。
この倉庫は装備、食糧、補充品、素材…等もろもろの物資が収められていて、砦の生命線である。
|傭兵《ようへ
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