外伝 クロスアンジュ編その2
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「ん…?」
朝日を感じて目を開けるとなぜか付いてこない上半身。どうやら何かに拘束されているようだ。
すぐ首元をくすぐる誰かの吐息。
「…アンジュ」
どうやって抜けよう、そう考えていると扉を潜り誰かが部屋に入ってくる。
「お早うござ…あら…これは先を越されましたか?」
サラが開口一番そんな事を言う。
「何、もう朝…?」
低血圧なのか寝起きが悪いアンジュがもぞもぞと起き出す。
ドラゴン化したアンジュの服装はパイロットスーツでは羽と尻尾の問題で窮屈だった為にアウラの民の一般的な服装だ。それは生地面積の少ない服装では有ったが利便性を考えると仕方ないのかもしれない。
そんな服装なのだが、それもいつの間にかはだけてしまっていた。つまり今アンジュの体を覆うものはかけてある布団のみ。
眠気眼にアオに抱きついている自分をまず認識、さらにはだけた自分の裸身へと視線を落として固まった。
「っ!?」
ガバっとアンジュはアオから布団をむしりとると自分の裸身をかくした。
「わ、私に何かしたのっ!?」
真っ赤になってアンジュが言う。
「ふむ…アンジュの豊満で魅力的な体を隅々までマーキングしてやりたい衝動は感じるが…」
「っーっ…」
真っ赤になるアンジュ。
「マーキング、致しましたの?」
とサラが問う。
「残念ながらオレも今起きた所だ」
心底残念だと言うアオに二人ともそれ以上何もいえなかった。
アンジュは真っ赤になってアウアウと繰り返していたし、サラはその細められた視線の内で肉食獣の様に見定めていた。
「で、サラ子は何の用よ」
とアンジュ。
「朝食も出来ましたので、ご一緒しようかとお誘いに来た次第。まさか私もこのように盛るアンジュを目撃するとは露にも思わず」
「サラ子ーっ!!?」
「な、なんですか?私は事実を口にしたまでっ」
恥ずかしさにアンジュが毛布を包まりつつサラに突っかかっていった。
「まったく、この二人は…」
アオはヤレヤレと肩を落とすと伸びをして朝の空気を吸い込んだ。
アオは朝食を終えると武術道場へと足を運んだ。
そこは凛とした空気が張っているように感じるのは武術の修練場だからだろうか。
アオはその道場の隅で正座をして瞑想している。
瞑想を終えると壁に掛かっていた模造刀を手に取ると型の練習。
パチパチパチ
一通りこなすと入り口の方から拍手が聞こえた。
「綺麗な所作に私見とれてしまいましたわ、アオさま」
とサラ。
その奥にブスっという表情を浮かべるアンジュの姿も見える。
「今度の対決は剣術なのか」
「ええ、その予定でしたのですけれど」
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