6部分:第六章
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た。
「今あたし達の後ろにも」
「変な冗談言わないでよ」
玲子はムキになってそれを否定しようとする。否定しようともいる時は後ろにいるものだがそれでも否定するのだった。それは感情によるものだった。
「縁起でもないわ」
「まっ、そりゃそうだ」
賢治が玲子のその言葉に賛成して頷く。
「今更な。出て来られると」
「そうよ。ところでさ」
玲子は猫を抱いたまま皆に対して言う。
「この猫の名前。決めない?」
「名前!?」
「ええ、名前」
また皆に言う。
「何がいいかしら」
「それは後でゆっくり考えようぜ」
賢治は猫を見ながら言う。
「時間はあるんだしな」
「そうね」
「そうだよ」
玲子にも言い返す。二人は笑顔になっていた。
「折角会えたんだしな、妖怪に」
「ふふふ、妖怪にね」
そういわれると笑顔になる。二人だけで泣なく他の皆もいい雰囲気になっていた。噂につられて校庭にやって来て出会ったのは一匹の猫だった。その猫に今大切なものを与えられたのだった。そうは見つからない大切なものを。
噂につられ 完
2007・9・26
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