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噂につられ
4部分:第四章
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かな」
「そうだな。そろそろ完全に馴れたみたいだしな」
 賢治は急に自分の懐中電灯を切ってしまった。そのうえで言ってきた。
「もうこれはいらないな」
「どうしたの!?」
「見えてきたんだよ」
 目を細めて辺りを見回しながら言う。
「完全にな。辺りが」
「あんた夜目が利くのね」
「そういうことさ」
 朝香に答える。
「俺はもうこんなのはいらねえ。そっちの方がはっきり見える」
「それで何が見えるの?」
 玲子は恐る恐る彼に尋ねた。彼女は必死に懐中電灯を動かして辺りを見回している。

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