4部分:第四章
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であった。
「何かいる!?」
「えっ!?」
それを聞いた玲子の顔が本当に一変した。
「嘘でしょ、それ」
「いや、今」
「あれっ、何処!?」
それを聞いて勝也も尋ねてきた。
「何処にいるの?」
「ここだったんだけれど」
伸介はすぐにある場所を懐中電灯で照らした。それを見て勝也もそこを照らす。
「ここ?」
「うん。さっき何かいたよ」
「嘘、それって」
「かもな」
怯えだす玲子の横で賢治が楽しそうに言う。
「いよいよ。出たか」
「ええ。妖怪が」
朝香も楽しげな声であった。だが玲子は全然違っていた。
「冗談じゃないわよ、そんなの」
ムキになってまで言う。
「いたらどうするのよ。まして真っ暗だし」
「だから落ち着きなさいって」
朝香も懐中電灯を出してきた。賢治も。彼は元々夜目が効くのか今まで懐中電灯を出さずに辺りを見回していた。だがここで遂に出してきたのだ。
「香水たっぷりかけてるのに」
「それはそうだけれど」
「いざとなったらこれもあるわよ」
朝香はそう言ってジュースのペットボトルを出してきた。かなり甘いことで有名なジュースである。
「これがね。だから安心よ」
「安心していいの?」
「だから怖がることはないのよ」
完全に怯えた顔になっている玲子に対して言う。
「わかたわね。じゃあ」
「わかったわよ。それじゃあ」
玲子もその言葉に頷くことにした。そうして彼女も懐中電灯を出して辺りを見回す。すると本当に何かが見えたのであった。
「やっぱり・・・・・・いる」
「みたいだね」
伸介も言う。
「何かな。まさか」
「そのまさかかもね」
また朝香が楽しそうな声をあげる。
「だったらどうする?」
「じゃあこれ」
勝也はすぐに香水を出してきた。それを皆に手渡す。
「用心にね。これで大丈夫だよ」
「ああ、そうだな」
賢治は相変わらず余裕の態度であった。
「玲子ちゃんもどうだい?」
「私はもうかなりかけたけれど」
周囲を必死に見回りながら答える。
「だから別に」
「それでこんなに怖がってるのかよ」
「悪い!?」
顔は向けずに声だけで問う。声に険が篭っていた。
「それが」
「だから気にし過ぎだって」
「ねえ」
また朝香も言う。
「出るわけねえだろ」
「それで何でここまで怖がるのよ」
「怖いからよ」
言い訳になっていないが理由にはなっている見事な言葉であった。
「そういうのが」
「やれやれ」
朝香はそんな玲子の言葉を聞いて肩をすきめてみせてきた。
「そこまで言うのね。困ったわ」
「けれどさ」
伸介は相変わらず辺りを懐中電灯を使って見回している。その中で言ってきた。
「何かいるのは間違いないみたいだし」
「だとすると何
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