第六章
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たから」
「わかったって?」
「何が?」
「ちょっとしたことだけれど面白いことよ」
聞いたことをこう表現したのだった。
「それだけよ」
「何かわからないけれど」
「いいことがわかったのね」
「そのことは確かなのね」
「そう、じゃああらためて飲みましょう」
こう言ってだ、桜は自分のカクテルを飲んでお店の人を呼んでまた注文した。そしてカウンターに戻って来たバーテンダーを見て言った。
「このお店、あらためて気に入ったわ」
「まあ気に入ったのはいいけれどね」
「実際にいいお店だしね」
「また来たくなったわ」
カクテルをいつもの、店の外での顔で作るバーテンダーを見ての言葉だ、桜はその中でこうしたことも言った。
「お店では素直にしていないのね」
「素直じゃないって」
「またわからないことを言うわね」
同僚達は首を傾げさせるだけだった、だが桜は微笑んで届けられたカクテルを飲むのだった。そのカクテルは素直に美味かった。そちらは仮面ではなく本物であった。
素直でないバーテンダー 完
2015・9・16
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