第一章
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素直でないバーテン
相川桜は二十六歳である、だが顔立ちはアーモンド型の目に白い肌、やや面長で顎のところがホームベースに近い形になっている。唇はピンクで歯は象牙色だ。眉は細めで薄く奇麗なカーブを描いていて黒髪を 伸ばしたうえで奇麗に整えている。
その彼女がだ、職場で同僚達にこう言われた。
「今日お仕事終わったらね」
「バー行かない?」
「バーに?」
「そう、いいバーを見付けたのよ」
「それも駅のすぐ傍にね」
彼女達の勤めている八条化粧品大阪福岡支社の最寄りの駅にというのだ。
「そこにあるのよ」
「美味しくて値段も結構よくて」
「いいお店よ」
「ムードもあってね」
「そうね、バーね」
桜も酒は嫌いではない、それでこう同僚達に答えた。
「いいわね」
「桜もお酒好きだしね」
「それもカクテル」
「だからね」
「いいでしょ」
「ええ、それじゃあね」
桜は同僚達に微笑んで答えた。
「ご一緒させて」
「それじゃあ行きましょう」
「今日は居酒屋で焼き鳥とビールじゃなくてね」
こちらも桜の好きなものだ、もっと言えば同僚達もだ。
「カクテルとナッツよ」
「それでいきましょう」
「私鶏肉好きだけれど」
福岡人だけにだ、桜は鶏肉が好きだ。もっと言えば明太子に豚骨ラーメンにガメ煮も好物である。典型的な福岡女である。
「カクテルもね」
「そうでしょ、じゃあね」
「行くわよ」
「それで大人の雰囲気も味わいましょう」
「大人の女もね」
バーはただカクテルを楽しむ場所ではない、それに加えてだ。
大人の雰囲気も楽しむ場所でもある、それで同僚達をこうも言ったのだ。
「じゃあ行きましょう」
「お仕事が終わったらね」
「そのお店に行きましょう」
「女だけでね」
こう話してだった、桜は同僚達にそのバーに向かった。そのバーは駅前の繁華街にあった。その入口からだった。
崩したアルファベットで店の名前が書かれていた、その名前は。
「いい名前ね」
「バーらしいでしょ」
「お洒落で」
「ええ、ナイトなんてね」
騎士の方である、夜ではなく。
「いいでしょ」
「ええ、それでね」
「中の雰囲気もいいから」
「大人でね」
「その雰囲気を楽しみましょう」
こう話してだ、そしてだった。
同僚達は桜をその店の中にも案内した、バーらしく暗くてだ。照明は淡い青でほのかに照らしている感じだ。
カウンターは暗く現代調の回転椅子でだ、プラスチック製で色は黒いカウンターの奥にワインやウイスキーのボトルが並べらている。
ルネ=マグリットを思わせるえ絵が飾られていてだ、黒の落ち着いた雰囲気のプラスチックの椅子とテーブルがある。
その店の雰囲気を観てだ、桜は目を
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