暁 〜小説投稿サイト〜
手先
第八章

[8]前話 [2]次話
「詐欺師が新聞記者とか学者とか政治家の場合もあるやろ」
「いますね」
「確かにそうした場合も」
「そうした連中が、ですか」
「北朝鮮をよお書いてたんですか」
「共産主義ってことで考えが同じで庇ってたか」
 彼等が何故わざと嘘を書いて言っていたのかをだ、一樹は部下達に話した。このことまで。
「金貰ってたのかもな」
「北朝鮮から」
「それで嘘言うてたんですか」
「そやったんですか」
「そうした奴もおるやろ」
 軽蔑しきった目での言葉だった。
「中にはな」
「何かとんでもないことですね」
「新聞記者が金貰って嘘書いてたとか」
「学者や政治家が嘘言ってたとか」
「最悪やないですか」
「そやからや、人は嘘を言うんや」
 この一面をだ、彼は部下達に話した。
「金貰って手先になったりしてな」
「それで皆ですか」
「騙されるんですか」
「そうなってたんですね」
「そうみたいや」
 こう部下達に言った。
「新聞記者や学者、政治家がな」
「政治家が金貰ってるのは考えられますけど」
「新聞記者や学者がですか」
「金貰ってるとは」
「考えてませんでした」
「けどあるわ、人やからな」
 新聞記者も学者もというのだ。
「金貰って嘘書いたり言うこともな」
「人やからですか」
「新聞記者も学者も」
「嘘言うて書きますか」
「金とか貰って」
「ほんまに北朝鮮から金貰ってるかどうかはわからん」
 その確かな証拠はない、一樹は言った。
「そのことはな、けどな」
「臭いですか」
「そうした連中は」
「少なくとも共産主義を信じてるってことは一緒や」
 信条、それはだ。
「それで庇うみたいにして悪事隠して嘘書いてることは考えられるやろ」
「それ自体も許せんですね」
「北朝鮮のやってること考えると」
「人攫ってテロやって独裁政治やって」
「国民餓えさせてますさかい」
「そやろ、どっちにしても連中はおかしいわ」
 北朝鮮を賛美している者達はというのだ。
「手先になっとるわ」
「北朝鮮の」
「そうなってますか」
「そうした連中も世の中におる、そやからな」
 それでというのだ。
「新聞も学者も政治家も嘘を言うことはな」
「覚えておいた方がええですね」
「それが世の中ですか」
「人のすることですか」
「そや、そやから注意するんや」
 一樹は部下達に言った、彼がこれまで見てきてはっきりと見極めた北朝鮮の実態と賛美している者達の正体を。それで孫達にも彼等が家に来た時に話した。
「人はどんな立場の人でも嘘言うことあるからな」
「そうなん?」
「誰でも?」
「嘘言うことあるん」
「そや、どんな仕事の人でも嘘言うんや」
 このことを真面目に言うのだった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ