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第二章
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言うやろ」
 先輩は一樹にこうも言った。
「俺も嘘言うたことあるし御前もあるやろ」
「それでおとんに殴られたことあります」
「そやろ、悪いことするお巡りさんもおるんやで」
「それやったら嘘言う新聞もありますか」
「学者さんかってや、それに嘘やなくてもや」
 それでもというのだ。
「弘法大師さんかて書き間違えもする」
「ああ、諺の」
「筆の誤りっていうやろ」
「河童も溺れたりとか」
「するやろ、そやからな」 
 だからだというのだ。
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