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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第四話 敵の正体
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ック男爵家だと思うが……」
「何故」
「ヴァルデック男爵家は先年事業に失敗し、かなり負債を負ったらしい。それに、あそこが一番リメス男爵家に執着していたのは事実だ」
「エーリッヒ。悔しいだろうけど復讐は諦めなさい。貴族を敵に回すのは危険だ。コンラートもヘレーネもお前の幸せを祈っているだろう。最高の復讐は幸せになることだ、という言葉もある。いいね」
「……うん。ありがとう、おじさん」
「明日、また来るよ。これからのことも考えないといけないからね」
「そうだね。これからのこと考えないとね……」
ハインツは安心した表情をして帰っていった。話すことでほっとしたということもあるのだろう。ハインツの言うとおり、これからのことを考えなければいけない。あいつらを没落させ、俺自身が幸せになる方法を。
「ローエングラム体制が発足し、門閥貴族どもが没落するまであと11年か……」
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