4話 爪を剥がれた暗殺者(アサシン)
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ーから刀身20センチの短刀を取り出す。この刀は以前の依頼人である女性の家にあった懐刀。それを盗んできたのだ。
倒れている的に近づき、クロノスは首を掻き切る。そしてトカレフを拾い、納刀し、安全装置をつけM26を腰ベルトに引っ掛けた。
そして、待ち伏せをした。敵はクロノスが逃げないよう3人1組で入り口の方に駆け出た。クロノスはそれを狙い、両手でトカレフを掃射する。
全弾命中し、敵を片付け、彼はビルの外へと出た。
「さて。これからどこへ逃げようか」
彼は知り合いの居るとされるバーに向かう。
「おう、クロノスじゃないか」
彼はガナート。これはコードネームで本名ではない。元奴隷で、俺が今、1番気を許している相手だ。
「やあガナート」
俺は携帯電話などの機種を持っていない。だから、すべてガナートに合うのは運なのだ。
「クロノス。もしかして、佐久島組と抗争したか?」
「情報網が早いな。どうしてそれを?」
クロノスはカウンターの彼の隣りに座る。
「情報が早いんじゃなくて、お前が此処に来るのが遅いんだよ」
ガナートはクリアファイルに入れられた資料のようなものを渡した。
「ん?なんだこれ?」
彼が受け取ったのはアメリカ軍の特殊機密事項。
「お前。アメリカ軍に雇われろ」
ガナートが渡したのはクロノス宛のメールをプリントアウトしたものだ。
(クロノスへ。今アメリカ軍ではテロ対策を行っております。
しかし、防衛だけではテロを防げないのは百も承知です。
しかし、今アメリカでは武器廃止を試みております。ですので、アメリカ国籍を備えていないあなたに、テロ組織の鎮圧をお願いしたい所望で御座います。
アメリカ軍エイミー・ヴァイズ中将)
「ほう。これは面白そうな依頼だな。でも金額が提示されていないからパスかな?」
「4百万ドルだってさ」
クロノスが紙をガナートに返しながらいうとガナートは肘を机につき、頬杖をついた。
「4百万ドルって円に直すとどれくらいだ?」
クロノスは日本円の単位しか知らない。だから、今どれくらいなのか理解出来ていないのだ。
「円安で1ドル120円だ。計算できるか?」
「無理」
「はぁ」
クロノスのガキのような対応に頭を抱えるガナート。
「4億8千万円だ」
「は?スーツケースが5つも必要な金額だな。でも、それしか無いのか?」
「それしか無いっていうか、お前前払いだろ?」
「前払いだけど、軍を潰すのにそれだけしか金をもらえないんならやる意味無いなって思って」
それを聞いたガナートは頬を歪まし笑う。
「お前。勘違いしてるぜ。この金額は前払い。お前を捕まえるためのな。そして、害虫駆除をする度に、その害虫の危険度に応じた金額を渡されるんだ」
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