第170話 襄陽城攻め3
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情で孫堅兵を叱咤した。彼女は飛んでくる矢を南海覇王で払う。矢を払う。一斉投射される矢の雨に孫堅は顔を歪め矢を払うが彼女の身体に矢傷が増えていった。膝、腕と矢を浴びるも、苦痛で表情を歪めながら矢を払った。
「文台様! 危ない!」
孫堅の首と胸に二本の矢が刺さった。孫堅は苦痛の表情を浮かべ体勢を崩した。すると孫堅兵が慌てて彼女を守るように矢を払った。
「文台様、大丈夫ですか!?」
孫堅に甘寧が駆け寄り抱きかかえた。
「しくじったね。甘寧、東門はどうした?」
孫堅は苦しそうに消え入りそうな声で甘寧に言った。
「県門の昇降機は破壊し、東門も破壊しました。直ぐにでも撤退しましょう」
孫堅は青白い辛そうな顔で頬を緩めた。
「上々。後のことは頼む。部下を連れて撤退しな。私はもう無理だ」
孫堅は自嘲の笑みを浮かべ甘寧に頼んだ。甘寧は孫堅の顔を見つめ悲嘆するも、彼女を抱え連れていこうとした。
「私はもう駄目だと言っているだろ」
孫堅は苦しそうに消え入りそうな声で甘寧を諭した。
「必ず文台様を連れ帰ります。清河王にお頼みすれば救ってくださるはずです!」
甘寧は孫堅を力づけようと声をかけた。孫堅は甘寧の言葉にくすりと力無く笑った。東門の方角から城門の破壊に従事していた孫堅兵二百が救援のために迫ってきていた。
「東門を破壊すると同時に清河王に援軍を要請いたしました。必ずや清河王は文台様を救うために駆けつけてくださるはずです! だから気をしっかりお持ちください!」
甘寧は哀しい表情で力無く項垂れる孫堅に声をかけた。
「し。しゃ騎。しょう軍が私如きのために助けに来てくれるわけないだろ」
孫堅は咳き込み血を吐いた。
「文台様!?」
「大丈夫だよ」
孫堅は辛そうに甘寧に言った。
「車騎将軍が私を助け無くても誰も責めやしないさ。今回の行動は私の独断だ。東門を破ったんだ。私が死んでも悪いようにはされないさ」
孫堅は力無く苦しそうに甘寧に答えた。彼女は自らの傷の深さから治療したところで助からないだろうと自覚しているようだった。
「文台様、しっかりしてください!」
甘寧は孫堅を担ぎ早足で歩きながら声高に声をかけた。東門で工作を行っていた孫堅兵達が合流すると、彼らは傷ついた疲弊した同僚に代わり殿の任についた。
「清河王は慈悲深い御方です。文台様を見殺しにする訳がございません!」
「そうかい。思春、お前を信じるよ」
孫堅は言葉と裏腹に正宗が援軍を寄越してくれるとは思っていないようだった。それを甘寧も理解したようだった。だが、甘寧は正宗が救いに来てくれると信じているようだった。
東門の目の前まで辿り着
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