第170話 襄陽城攻め3
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
っさと東門を破壊するよ。外から破壊できなくても内からなら破壊できるだろうさ」
孫堅は甘寧の話を最後まで聞くことなく兵士達に指示を出しはじめた。
「文台様、まだ話が終わっていません。車騎将軍は」
「今回の私の軍事行動に車騎将軍が不快感を示したということだろ?」
孫堅は甘寧の話を聞くことなく喋りだした。
「そうですが。もし、失態を犯せば太守を免職すると仰っていました」
「そうかい」
孫堅は甘寧の言葉に憮然とした表情になるが直ぐにさっぱりとした表情になった。
「そんなところだろうね。でも東門を破れば全て問題ないというだろ」
孫堅はあっけらかんと甘寧に言った。甘寧は困った表情で孫堅を見たが、正宗と交わした話は孫堅に報告することはなかった。
「こんなところでのんびりしている場合じゃない。さっさと東門を破壊する。思春、お前は城門を上げる役目と敵の接近を監視をするためにここに残っておいておくれ」
孫堅は甘寧を置いて城内に降りる階段を向かい降りていった。その後は甘寧と孫堅兵達が着いていく。孫堅達が城内に降りると暗がりを利用して東門に向かう。彼等は盗賊のような身のこなしで闇に紛れ颯爽と移動していった。
東門にたどり着つくと、そこでは三十人ほどの人足達が土嚢を積む作業に従事していた。彼等を監視するように武装した兵士が五人いる。彼等から離れた暗がりで様子を窺う孫堅は手で合図し孫堅兵達に指示を出した。孫堅達は慎重に暗がりを利用しながら移動し東門で作業する人足と蔡瑁兵の顔が視認できるまで近づくと、それまで異なり迅速な動きで彼等を撫で斬りにし惨殺し、その遺体を目立たないように片付けさせた。
東門の両開きの扉は県門(城門の上から落として城門を塞ぐための遮蔽物のこと)で塞がれていた。その県門を塞ぐように土嚢が積まれている。孫堅は積まれた土嚢に視線を向けた。
「思ったより土嚢を積まれているね」
孫堅は左右上と視線を動かし状況を把握すると独白した。土嚢は甘寧から受けた報告より少し嵩が増えた程度だった。孫堅は腕組し土嚢の山を見つめどうするか思案した。
「お前らこの土嚢をさっさとどかせ! 土嚢を取り除く作業に二百人を残す。残りはここに誰も近づけないように守りを固めろ。近づくやつは女子供だろうと容赦するんじゃない。必ず息の根を止めるんだよ。死体も目立たないように隠せ。いいな?」
孫堅は兵士達に凄みのある険しい目で睨みつけた。兵士達は彼女の雰囲気に気圧され黙って頷くと動きだした。土嚢をどかす作業に従事する者達は一旦武器を置き作業し易いように剣や胸当てを辺りに置いた。守備に回った者達は東門と内城を繋ぐ道の暗がりに陣取り身を潜めていた。
四刻位(一時間)経過しただろうか。孫堅兵達の働
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ