第34話 死に損ないと夜叉、最凶と出会う
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「俺がガキの頃、オヤジから聞いたことがあるんだ…『鬼の一族の中には掟を嫌い、血を求めて里から抜け出し、ある大妖怪に仕え、京都を中心に、殺戮の限りを尽くした鬼の一団がいる』ってな。多分この鬼共はその兵隊といった所だろ…」
「ちょっと待てよ不知火…その話が本当なら、なんで幕末の時、その妖怪は姿を現さなかったんだ?新選組が夜の見回りをしても1度もそんな情報は無かったぜ?」
「なんでも300年前の陰陽師が造った特殊な“結界”が妖怪たちを京都に入れないようにしていたらしい…俺達は余程の事が無い限り鬼にならなかったから、京都に入れたんだがな…」
「成程な……」
−−−ほう…部下共の戻りが遅いから様子を見れば、ずいぶんと懐かしい鬼がいたものだな…−−−
「「「っ!?」」」
突然不気味な声が響き、3人が振り向くとそこに居たのは黒い着物を身にまとい、髪は白く、顎鬚を生やした初老の男性だった。しかしその瞳は鋭く、目に映る者は全て敵とでもいう様な刃の如き眼差しだった。その眼光に見覚えがあったのか不知火は驚きを隠せなかった
「お、お前は……っ!?」
「久しぶりだな不知火 匡……相変わらず自由奔放に動いてるようだな……」
「おい不知火、あのオッサン……何者だ?」
不知火と初老の男性が知り合いだと察した原田だったが相手が只者じゃない事ぐらいしか分からず、不知火に尋ねた。すると不知火は冷や汗をかきながら目の前の初老の男性の正体を伝えた
「アイツは“鬼童丸”…今俺が話した『京妖怪』の幹部の一人で、千年以上生きていると云われている鬼の大妖怪だ」
「何っ!?」
「だが妙だ…前に俺が会った時はまだ黒髪が混ざっていたけど、あんな白髪じゃなかったぜ…」
「は?そりゃ一体……」
不知火の言葉に原田は信じられないような顔で初老の男性…鬼童丸を見た。原田自身、羅刹や風間や不知火という本物の鬼を見てきたが、千年以上も生きてる鬼なんて簡単には信じられなかった。しかし鬼童丸から発せられる気迫と殺気は羅刹や不知火たちとは比べ物にならないほど凄まじいものだった
「そこの赤髪と銀髪…貴様ら一体何者だ……?」
「何?」
「今の平成の世に陰陽師でもない限り、そんな鋭い眼を持つ者は極少数…それに先ほど貴様らの戦闘を見ていたが、あれは本当の殺し合いを経験した者でなければ出来ぬ動きだった。もう一度聞くぞ。貴様らは一体何者だ?」
鬼童丸の言葉に色々と気になる単語が入っていることに疑問を浮かべる原田だったが、名乗りを上げた
「俺は新選組十番組組長 原田左之介!」
「
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