第34話 死に損ないと夜叉、最凶と出会う
[1/7]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
海鳴市の人気のない山中に2人の人影があった。その人影…否、漢たちは幕末の戦乱を生き抜いた男たちだった。
「ん…痛ぅ……っ!俺は…一体……」
「原田、気が付いたか…」
「不知火!?ここは…俺たち、何でこんな所に…」
「忘れたか?俺たちはあの変なジジイに妙な術をかけられてこの山の中に飛ばされたんだよ」
その男たちは赤髪に腹に一文字の傷跡を持つ槍使い“原田 左之介”、褐色の肌に長髪のボブヘアー、左肩に龍の刺青を持つ“不知火 匡”。そして…
―――…………ぁぁ………ぁぁ………ぁ……―――
「ん?おい不知火。何か聞こえないか?」
「ああ、聞こえるな…」
―――…………ああぁぁ………あぁぁ………ああぁぁ……―――
「………気のせいか?何か段々声がデカくなってる気がするんだが……」
「ああ、確かにデカくなってるな……」
「と言うより、これ空から聞こえないか?てか不知火、お前さっきから上の空じゃないか?」
「しょうがねぇだろ?ついさっきまで俺達は戦場にいたんだぞ?それがいきなり変なジジィに変な術を掛けられてこんな世界に飛ばされたんだ。やる気なんて今は失せてるんだよ!」
「まぁ、気持ちは分らんでもないが、それより今は目の前の現状を何とかしないか?」
「あ?目の前?」
「正確には、上だよ。う・え!」
「上?」
空に指を刺した左之助に吊れられて空を見上げる不知火。すると
―――…………ああぁぁあぁぁあぁぁ…ぁ…ぁああぁぁ……―――
悲鳴…と言うより絶叫に近い叫びが徐々に、だが確実に大きくなっていた。しかも自分たちに近付いている
「確かにこっちに向かってるみたいだな。つか、何か空からこっちに向かって落ちてないか?」
「あああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁっっ!!!」
「「っ!?」」
2人が上を見上げると目を大きく見開き、絶叫を上げる銀髪の男だった。
「ちょっ!!そこのおにーさぁぁぁぁぁぁん!!落下してる俺を助けてくださぁぁぁぁぁぁいっ!!」
そんな銀髪の男の助けを求めるセリフを聞いた原田と不知火はアイコンタクトを取り、互いが頷き合った次の瞬間…
避けた!
「ぐぶ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ