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蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第132話 異邦人
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ルヒの元に直接召喚される事を嫌った奴らがこの部分に介入。
 その事によって、有希に代表される有機生命体接触用端末や朝比奈みくるがこの世界に残る事となり、未だ世界が完全に安定した、と言えない状態となって終っている。

 この世界の未来が暗黒に包まれる事を是としなかった神や仙人たちが存在していて、更にそいつらが、本来不介入であるべき世界に多少の介入を行った事。
 そう、本来は不介入が基本。但し、この事案に関しては世界の危機。そして、この世界が滅べば、この世界に隣接する……近い関係にある世界にも悪い影響が及ぶ可能性を考慮して、神や仙人たちが介入して来た。
 この辺りが、今、俺がここに居る理由であり、ハルヒがここに居る理由なのでしょう。

 もっとも、それ以前に……俺が未来人と異世界人の属性を持って居る事とは別に、俺自身が、ハルヒに対してトンデモナイ発言を夢の世界で行っているから……。
 これがこの先どうなって行くのか。それは神のみぞ知る、……と言う事ですか。

 微妙に話をずらしているような気がしないでもない。しかし、その部分に関しては思考を無理矢理にねじ伏せた。そもそも、俺がハルヒの事をどう感じて居たとしても、所詮、異邦人。異世界に……ハルケギニアではない、元々暮らして居た世界に帰って仕舞えば、俺の能力ではハルヒに対してどうこう出来る能力は今のトコロ持っていない。
 ふたりの人間関係を決める事が出来るのは、俺ではなく涼宮ハルヒと言う名前の少女の方。彼女がどうしても俺が必要だと願えば、彼女の能力と、俺が渡した召喚具――ふたりの絆を示す銀の首飾りが次元の壁を破って俺を召喚するでしょう。
 タバサが、そして長門有希がそうであったように……。

「所詮は、私の人生人任せ、と言う事か――」

 少し自嘲気味にそう呟き、そのまま回れ右。そこから二歩進む。
 目の前には和室の出入り口に相応しい襖が、ハルヒが閉じた時のままの状態で立ち塞がっている。

「帰って。――ちゃんと帰って来なさいよ!」

 あたしが付いて行かなかったからと言って、気を抜いてヘマをしたら承知しないんだからね!

 背中へと投げつけられる妙に上から目線の言葉。彼女らしいと言えば彼女らしい。
 ただ……。
 ただ……、あたしが付いて行かなかったから……か。こんなトコロにもふたりの違いを感じて、少し口元に笑みを浮かばせる俺。
 何故ならば、有希の時は、自分の知らない場所であなたが傷付き倒れる所を想像する事さえも耐えられない……だったから。

 何にしても彼女らから見ると、俺は少し頼りない存在らしい。
 俺個人としては、頼りがいがある、とまでは思っていないけど、始終面倒を見て、見張って居なければならない程、頼りない人間だとは思ってはいないのですが……。

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