またも登場、奇天烈な話題
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さて一方、私立陽月学園の、とある一年生教室。
四時限目の授業も恙無く終わり、生徒らにとっては待ちに待った昼食の時間が訪れる。
相も変わらずテイルレッドガーテイルレッドガーと呪文的に呟きながらも、しかし確り購買へ向けてダッシュする運動部員や男子生徒達。
日差しも段々と強くなってきた今日この頃。風あたりの良くテイルレッド談話し易い場所を求め、他者の席を借りて座る文化部や女子生徒達。
廊下にも、場所を移動して弁当を広げたり、購買へと昼食確保へむかう者達が行き交い、皆口々にレッドたん可愛いだの、嫁にしたい妹にしたいとしきりに話しているのが聞こえる。
総二達の居る教室の一角でも、自作の高レベルなテイルレッドキャラ弁を広げ、ある者は恍惚とし、ある者は空腹と違う理由で涎を垂らす。
そんな何とも言えぬ微笑ましさ醸し出す光景が学校のそこかしこで繰り広げられ―――
「急げ! テイルレッドパンが売り切れちまう! 折角の昼なのに色々と妄そ―――いや想像する楽しみが奪われちまうぜ!」
「何言っているの妄想するのは私達の特権! 私達なら合法なのよ! 変態は引っ込んでなさい!」
「今の内にすり抜けてぇ……イヒヒ、今日はどんなレッドたんが見れるのかなぁ……」
「あぁ……テイルレッドたん……テイルレッドたん」 ←己の尻を触りながら
「レッドたんレッドたん! 食べちゃいたいぐらい可愛いあなたを……いまお姉さんがホントに食べてあげちゃうからねぇ? うふふふ…………ジュルリッ……」 ←弁当を見ながら
―――否訂正、やはりどう捉えようと気持ち悪いモノは気持ち悪かった。
当事者である総二もまたゲンナリした顔―――どころか世の中に絶望した顔をしつつ、刹那ながらの安息を求めて、彼の設立したツインテール部部室へと移動する。
数分で部室へは辿り着き、漸く粘っこい言葉が聞こえなくなったからか、
「安心してください総二様! その疲れをもっとキモチイイ事で吹き飛ばして差し上げます!」
と言ったコンマ数秒後に、愛香の剛脚で物理的に吹き飛ばしを喰らったトゥアール。
その悲鳴を聞きながら、総二は部室のドアをがらりと開ける。
総二、愛香、トゥアール、生徒会長の慧理那、メイドの桜川教員の五人フルで使ってもまだまだ余るほど大きな長テーブル傍の椅子を引き、軽く音を立てて鞄を置いた。
そして鞄の中を覗いていた総二の顔が、どんどん焦燥を帯びた物へと変化していく。
「や、やべぇ……」
「あれそーじ? どうしたの、そんな顔して」
やっとじゃれあい(折檻)を止めた愛香は、彼が思い切り脱力している様を見て不思議に思い問いかける。
総二はゆっくり振り向くと、鞄の口を広げて中身を彼女にも見えるよう
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