またも登場、奇天烈な話題
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……と指を横に振った。
「エレベーターの点検ぐらいは知っているでしょ? 今日中にも終わるらしいけど、アレの所為で下から上へも昇れないの。だから今の内に届けて来て貰った方が早いのよ」
此処でグラトニーとラースは悟る。
弁当を忘れた様子だから届けて欲しい―――ならばもう少し早く呼べば良かったし、店の手伝いをしようとしている時にでも声をかければ良い。
なら今さっき気が付いたから? ―――今の今まで不調もなく予兆もなく、順当に動いていたエレベーターが突然に動かなくなる……正確には『エネルギーが流れていない』状態になるだろうか。
そも弁当を渡すのは未春当人の筈……なら、今日に限って何故忘れて行ったのか?
確実に騒ぎを呼び込むという事、トゥアールの性癖、美春の厄介さ―――総てが繋がった。
(わざと忘れやがったなコノ人等は……!)
グラトニーモードではなく瀧馬モードで内心怒り、そして愚痴り……されどこのまま無視しても損をするのは、昼食を最悪食べられすらしない総二だけ。
逃げ場のない選択肢に苛立ちながらも、意地張りから昼食無しになるのは可愛そうだと思ったか、諦めたように首を振る。
「……分かった。届けに行く」
「ありがとう! じゃ、お願いね」
青とピンクの無地布で包まれたお弁当を手に取ると、小さく手を振りながら未春に見送られ、いざ総二達の通う(一応瀧馬も通っている)学校へと脚を進めた。
弁当を届けるお願いを受諾してから、訳数分ほど後。
学校へむかっている筈のグラトニーは―――今、路地裏に居た。
「……見た目を変える?」
『つっても髪型ぐらいだけドナ』
何故こんな所に居るのか?
それは彼女が以前やらかした、とある小さな事件が発端だった。
グラトニーは《暴食》の名に恥じぬ食いしん坊かつ大食いであり、人間形態となった時には対象が属性力ではない為に、よりその特徴が顕著に表れる。
そんな状況下で彼女が行う事などたかが知れていた。
そうして起きた事件こそ……皆様もご存じ、ニュースにすらなった『謎の大食い幼女』事件である。
カレーにステーキにケーキにと、呆れるぐらいとことん食いまくった所為で、詳細な姿を知る人間こそ少ないが、それでもソコソコ有名となってしまっていた。
名前こそ“無名”ではある。
が、幼女で眼帯でツインテールな容姿を持つ者など、そもそもこの辺りではグラトニー位しかおらず、噂を知る者に見つけられ小さくとも騒ぎを起こす可能性が首を擡げている。
だからせめて髪型を変えてしまおう、と言う訳なのだ。
「でも変えられる? ……エレメーラ詰まった機械、持ってた筈」
『
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