またも登場、奇天烈な話題
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総二達が学校へ向かうべくと出て行ってから、グラトニーは観束家の屋根の上に腰かけて、日向ぼっこをしていた。
『一応、休みが長引く事は伝えたんだヨナ?』
「……ん、新垣瀧馬の休み、伝えた」
元が男子高校生である瀧馬である為、何の連絡も無しに通わなくなっては不自然だと、電話越しに幾つか家族などを装って、休みが長引く事を伝えて居たらしい。
尤も担任が、『面倒臭い事、大嫌い』が代名詞の樽井教員であった所為で、半ば改竄をえてしまった結果になった様子だが。
『相棒、お前の親はまだ戻らねぇのカヨ?』
「……数か月開ける事、ザラ……別に珍しく無い」
言いながら嫌そうな顔をしているのは、愛されていないから―――ではなく、寧ろ帰ってきたら異常なほどベタベタ纏わり付いてくるから。
なので、そのウザったさから顔を顰めて居る……そういう理由だったりする。
邪険にされるよりはマシだとしても、髭面親父と長身女性から思い切り抱きつかれると言うのは、年頃の男子高校生からすれば、鬱陶しい以外の何物でも無かろう。
勿論人による部分はあるが、瀧馬―――グラトニーにとってはほとほとキツくなる抱擁であるらしかった。
「ふぅ……」
確認の為とそんな言葉を二つ三つ交わしてから、また無言でグラトニーは日向ぼっこへと戻る。
何もやる事がないのだし、喫茶店は『アドレシェンツァ』はまだ開店前。
テーブル吹きなどは事前に手伝い終えてしまい、残りの仕込みはグラトニー及び瀧馬にはレシピなど見ても実行不可能。
加えて鍛錬しようにも、メンテナンスの所為かエレベーターが動かないので地下のトレーニングルームへは行けず。
つまるところ何処にも場所が無く……また動かなくともいい訳ではないが、されど出来るならば平時は回復に努めなくてはならない現状況。
―――なのでその結果、自然とこうなってしまったのだ。
……言いつつも腕の時計を気にしている辺り、元の中身が中身なのだから、開店後の店の手伝いは一応する気な様子だ。
とはいっても(珍妙な)固定客ありだという事と、単純に店側の都合もあり、昼近くにならないと明かないらしい。
とはいえ朝食からもう既に数時間たち、後数十分もすればその時間帯。
だからこそ、グラトニーは寝転がっているのだろう。
「……」
『……』
そうして暫し、グラトニーとラースはのんべんだらりと屋根に寝そべって、時々頭上を通り過ぎる小鳥を眼で追いながら、眼は閉じる事無くただ寝転がった。
響くのは小学生らの者と思わしきはしゃぎ声や、通り過ぎる車のエンジン音、吹いた風
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