またも登場、奇天烈な話題
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や……総二に限らず、誰だってソコまでのこだわりを見せられれば、ツインテールが好きか否か関係なく大なり小なり気になってしまうかもしれない。
「お腹が捩れて何か飛び出すううぅぅううううぅぅぅ!!??」
……後方でまたも響く、悲痛なる絶叫。
それはもしかしなくとも、トゥアールの口を滑らせた自業自得と、愛香の常識無視な暴力の織り成す、何時も通りな殺傷沙汰一歩手前の惨劇の音だ。
それを横目に総二はトーストを一口齧りながら、ハムや卵などを挟んで数枚いっぺんに頬張ったグラトニーへ視線を移す。
―――特に何か意味がある訳でもなく、ただ単純に、そっちの方が見ていて気が安らぐからだった。
『続いては! 最近人気の人物に付いてピックアップ、更に細かく紹介していきましょう!』
衝撃的な光景を生む原因となった、衝撃的な報道も終わり、次は新人アイドル紹介のコーナーに変わる。
まず最初に野球選手と思わしき男性、次に作家だとテロップに記されている女性。
そして三人目に挙げられて、画面中央に固定されたのは……メガネをかけた黒髪ツインテールの少女だった。
「おおっ!」
先までテレビ画面へ視線を向ける事を鬱陶しがっていたのに、彼女が映るや否や条件反射というのも愚かしい、超反応で総二が釘付けになる。
「……」
グラトニーの目が半眼になる。
「いいツインテールだな。うん、本当に良いツインテールだ……磨きこまれてるから、流行に乗っかって無いのが分かる。あの子はブレイクする気がするぜ」
「何また意味不明な事言ってんのよ……?」
『ハ、世迷い言ほざきながら飯食ってんじゃねェヨ』
愛香とラースの突っ込みもどこ吹く風で、総二はテレビ内のアイドルに見入りっぱなし。
……とはいえラースは突っ込みつつも、最近出て来る話題作りの為にツインテールにするアイドルと違い、確りツインテール属性が存在しているのを画面越しにだが理解していた。
その後、どうもツインテールだけでなく―――というか元からツインテールよりも、メガネを売りにしたアイドルらしく、コンタクトやメガネ関連の軽い話題振りに毒舌で返したり、曲の名前すらも“眼鏡プラネット” と付いており、とことんまで『眼鏡』という要素を売りに出しているのが分かる。
それでも強いツインテール属性が芽生えているのか、総二は彼女から視線を離さない。
目が離せない事を、ついつい目が向いてしまう事を…………いっそ『怖い』と思える程に。
(……な、何かおかしいな……? 普通に良いアイドルだってのに……この後ろめたさは、何なんだよ……?)
敢えて強くそう思う事で一旦打ち消そうとはするものの、彼の心の中に僅かな音量で鳴らされる警鐘は、依然として止まないのだった
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