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寄生捕喰者とツインテール
またも登場、奇天烈な話題
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ンテール、したくない……」
「なあトゥアール……」
「はい、グラトニーちゃんの翻訳で大体あってますよ。テイルレッドは好きだけど、髪型は真似したくないって感じですかね」

 ブツブツ呟かれるグラトニーの翻訳に、やるせなさ全開な表情でトゥアールが補足を入れた。
 万色のツインテールを愛する総二でも、嫌々その髪型に変えている者を流石に許容できないか、溜息を吐いている。

 彼風に言葉を借りるならば、表情ではなくツインテールに気持ちが表れてしまっている、といった所だろうか。

 彼に感化されたか愛香も其処まで言い表情はしておらず……結果的に総二の母である未春だけが、某カーニバルよろしくはしゃいでいた。

「制作決定だけで此処まで大体的に報道するんだから、世間からの期待だってバリバリ大きいと見ても良いでしょ!!」
「期待よりも被らない様にと、牽制の理由が大きいんじゃないでしょうか? こういうのって基本、早い者勝ちですし」
『つーかヨォ。殆ど世間一般の価値観ばッカ、映像だって情けねぇ姿の映像ばっかだろウガ。碌な映画にゃならしねぇと思うガナ、俺ァ』

 ラースの意見に対し、総二は自分もそう思うとばかりに強く頷いた。

 と……そんな会話を交わしているうち、テイルレッド役に(強引に)決まった女優へのインタビューを終え、次はいよいよテイルブルー役が顔を出す番が来ていた。

 一般の目線から言って、つい最近顔を出し始めたイエローや、レッド以上に謎だらけなグラトニーは兎も角、数戦目の同時期にすぐさま現れたテイルブルーは流石に投入される筈だろう。

 では一体誰が演じるのだろうかと皆の視線がテレビへ向き―――今まさに現れたベテランアクション男優の下へ、テイルブルー役とのテロップが振られた。




 ―――もう一度言おう…………ベテランアクション()()の下へ、振られたのだ。



 有り得ないその事実に一瞬皆が―――あのトゥアールでさえもテロップの不備を疑ったが、その疑惑を根元から払拭してくれる様な事実が即座に突き付けられる。

『監督からやってみないかと言われて、とっても嬉しかったんだ! 何せ、僕は前々からやってみたいと思ってたんだよ! 確かに筋肉は彼女よりモリモリだし、身長も高めだけど、他の所に差はないと思っているからね!』

「グラトニー、翻訳は―――」
「……必要無し。そのまんま」

 画面の中でも満面の笑みで、歯を煌めかせて力コブまで見せつける始末。
 女優の対応に反し、コッチは“超”が付くぐらいノリノリだった。

 その後女子アナが、『テイルブルー役の彼はウィッグではなく自らの髪を伸ばしてツインテールにする』との情報を告げ、総二は不覚にも見てみたいと思ってしまっていた。
 い
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