第七十七話
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い。一体、どうしてこんな激しい反応を彼女がするのかは分からない。でも彼女の過去を一瞬垣間見たような気がして、なんだかこれまで以上に王女のことが愛おしく思えた。
俺は無理矢理の笑顔を見せる。
「もちろん帰ってくるよ。帰ってきたらうまいもんおごってやるよ。だから、泣きやめよ。帰ってくるまでに、何が食いたいか考えておけよ」
そう言って、彼女の頭をなでなでしてあげる。
しばらくはそうして抱きしめていた。次第に彼女の体から震えが収まっていくのを感じていた。ゆっくりゆっくりと。
「落ち着いたか? 」
と俺は王女を見つめる。
涙を拭いながらコクリと頷く王女。
「よしよし」
そういってまた頭を撫でてあげる。
そして、おでこにキスをする。
「ぶ、無礼者……。油断をしたらすぐこれだ。もう、馬鹿。……私は大丈夫。だからシュウ、約束しなさい。絶対に帰ってくるのよ。生きて必ず」
「その元気があれば大丈夫かな? きっと帰ってくるよ」
俺は自信たっぷりに頷く。
「帰ってきたら家計が破綻するくらいのものを食べさせてもらうんだから、覚悟しなさい」
そう言って、無理矢理に笑顔を作り、にこりと笑った。
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