第七十五話
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様子だった。
その中で、クラス委員の真田と漆多と同じ部活の三田、秋定がいたので、彼らにも聞くことにした。「最近漆多が学校に来ていないみたいだけれど、誰か知っていないか? 」とそれとなく聞いてみた。
「ああ、漆多はなんだか体調が優れないみたいで、しばらく休むとか先生が言ってたぞ」
と、すぐに真田が答えてくれた。彼はクラス委員長をやっているから、先生と話す機会も多いみたいで、こういった情報はすぐに入って来ているらしい。
「そういや、あいつ、日向と付き合っていただろう? そんでさあ。この前、如月とああいったことがあったじゃん。だから精神的に参ってたんじゃない? 」
と、三田。
「確かになあ。恋人が事故死したうえに、あんなところで如月と一緒だったなんて知ったら、なあ。俺なら二重にショックだろうな」
と、真田。
「それに、……あいつ最近、あれじゃん」
三田の話に呼応するように秋定が補足する。
こんな感じで会話が展開されていく。
「あれってなに? 」
と俺が聞き返すと、
「いや、月人だって知ってるだろう? あいつ最近、蛭町君に目を付けられていたからな」
突然、小声で言うと辺りを警戒する秋定。
「まあ、如月の次は漆多になっただけなんだけれど。そんなこともあったから学校に来たくなくなったんじゃないの? って思うんだ」
つまりは寧々が死んでしまったこと、それに続いて蛭町たちのグループのいじめの対象に漆多がなっていることが原因で登校拒否になったんじゃないのかというわけだ。
「……だけど、漆多には早く出てきてほしいな」
三田が腕組みをしながらつぶやく。
「ん? 何かあるの」
「いや、漆多がしばらくいないってことは、まあ、蛭町君たちのストレス発散の対象が不在状態なんだよな。……あいつら、如月が死んだらすぐに漆多に乗り換えていたから、あんまり彼が不在のままだと、また別の誰かが選ばれちゃうなんてことになったりしたら、たまんないだろ? 月人だってそう思わないか? 言いたくはないけど、あいつら、結構陰湿なんだよな。なにやらかすかわからないというか、怖い物知らずというか。なんでこの学校に来られたのか、まじで不思議なんだけどさ。あ、そういえば殺された3人は蛭町君と同じサッカー部の連中だったなあ。……それに、そういや蛭町君も最近、学校で見かけないな気がするんだけど……。どうかしたのかな」
話が蛭町の不在の話になりそうだったので、俺は適当に相槌を打つと、慌ててその輪から離れることにした。話の流れで「蛭町が休んでいる件」について彼らの余計な注意を惹いてしまうと後々まずいことになるかもしれないからね。
他のクラスメートにも聞いてみたけど、結局のところ、クラスメートが少々休んだことなんて、あまり
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