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異界の王女と人狼の騎士
第七十三話
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た黒い暗幕がゆっくりゆっくり崩れ落ちて行っている光景が見えたのだった。
「やばい、結界が消えたら停止されていたすべての警備システムが復旧する。そうなったらまじヤバイじゃん」

「今頃気付いたの? 知っててぼーっとしてると思ったんだけど」

「やばいやばい、姫、逃げるよ。警備カメラに写ったらさすがにまじーよ」

「当然でしょう? 」

「もっと早く行ってくれよ」
 肩をすくめる王女を抱きかかえると、俺は一気に走ったんだった。
 



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