第1章:ぼっちな姫は逆ハーレムの女王になる
口は災いの何とやら
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目から見て24時間メダ○ニ発動している腐った性根もそのまま浄化されてしまえと思うのはやぶさかではないが。
「星河くん。そっちもホームルーム終わったの?」
「うん。ていうか珠希さんの会話終わるの待ってたんだけどね」
「えっ? あー、それはごめんっ」
これは一大事だとばかりに珠希は急いで帰り支度を済ませ、廊下で待つ星河と昴の元へと戻る。
天使(とその鞄持ち)をお待たせしては問題だ。罰が当たってしまうもの。
珠希と星河が揃って前を歩き、その後ろに昴がつくという並びで昇降口まで来たところで、昴は外靴を取り出しながら珠希に尋ねる。
「で、匂坂はともかく、さっきの先輩誰だよ」
「んーと、昔の知り合い」
「ふーん。お前にも――」
「知り合いくらいいるからね! むしろ友達よりも多いですよーだ」
「そうか。それはよかったな」
実際、珠希には友人よりも知人と呼べる人が遥かに多い。
もちろん、知人カテゴリに含まれる人たちの7割近くが出版・ゲーム業界の人間であることは現時点において星河も昴も知る由はないのだが、あのダメ母の担当編集をしてくれている汐里さんをはじめ、通い慣れた商店街の店主たちや買い物時間が何かと重なって知り合った主婦の方々も珠希からすれば知人である。
ほのかな初恋相手だった暁斗の友人や、聖斗の野球仲間や結月の親しいショップ店員とも珠希は交流がある。それは友人ではないにしても他人よりは近い、それこそ知人というカテゴリに含めても問題ないだろう。
しかし――。
「ねえ珠希さん。そういうの、自分で言っててつらくない?」
星河の、この何気ない質問は問題がありすぎた。色々と。
「……ごめん星河くん。あたし、もう今日は帰れないかも」
「ええぇぇぇっ!?」
やはり回復呪文がホイ○では足りなかったか。昇降口に来たまではいいものの、ついに精神力が尽きてしまった珠希は力なく金属製の下駄箱に寄りかかるしかなくなった。しかも冷たい鉄の感触が余計に気持ちをわびしくさせてくれる。
「お? これが帰りたくないサインってやつか? このまま男の家にシケこむパターンか?」
「ちょ、ちょっと昴っ!? 何言ってるのっ?」
「いやな、つい先日友達から聞いた話なんだけどよ――」
「あ、勘違いのないよう言っとくけどそういう意味じゃない。てか帰りたくないとは言ってない」
どんなときでもツッコミだけは忘れたらアカン。雛壇(程度の)芸人ではなかなか貫けないそのスタイルを維持して、精神力0の小心者ガチオタは何やら女の持ち帰り方を星河に教えようとする昴に制止をかける。
そもそも相手の家に上がり込んでいって一緒に××するような男が今まで一人もできたことがないというのに
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