第1章:ぼっちな姫は逆ハーレムの女王になる
メイドロボは割と欲しいんですよ。いやマジで
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肉の塊である少女は周囲の他の女子よりおm(以下略)――。
「何してんのこれくらいで。ほら、家に帰るよ」
「え? P's Makerは? 買ってくれるんじゃないの?」
「寄るとは言ってない。買うとも言ってない。ついでに言うと予算次第では却下」
「うわ騙された! おねーちゃんオニだ! アクマがここにいる!」
発泡スチロールに入った桜鯛を持たされた挙句、寄り道しようと思っていた手芸用品店にすら寄らせてもらえなくなった結月は、他にも買い物客がいるというにもかかわらず商店街の中で珠希を非難する。
しかして大人の世界――契約社会で口約束ほど恐ろしいものはない。事実、絶対という言葉は何に対しても絶対的であり、「必ずする」と言った以上は必ずしなくてはならない。極論に聞こえるが、それが個人の得る社会的信用の礎である。
こと、いざ評価されるのは「できる・できない」といった可能性ではなく、その先の「やる・やらない」といった行動とその結果である。大抵の場合、誰の、何の手ほどきも受けていない初心者に最初から不可能なことをやれとは言わないのだから。
「不謹慎なこと言わない。可能性があるなら賭けるんじゃないの?」
「やめてもう私のお小遣いは0だよ!」
「はあっ? 今月分の渡したの先週だよ? 無駄遣いしすぎ」
金銭感覚や計算能力のない小学生じゃあるまいし。
一家の家系すべてを預かる身として珠希はそう思ったが、結月はあの父と母の娘にして、兄の妹だ。趣味に湯水のようにお金を使うのは間違っていないと両親……と兄の背を見て育ってきている。
それが一般世間では金遣いが荒いとみられることにも気づかないまま。
とはいえ――。
「おねーちゃんだって、こないだイベントぶん回すために課金しまくってたじゃん!」
「あれはあたしの収入からだっつーの」
「で、結果は?」
「ドーピングで余裕」
「このブルジョワ廃課金者め」
「なんとでも言えばいいさー。あたしは○蓮のためなら世界を敵に回す!」
「そこ断言しないでよ。私が言うのもなんだけどさ」
このな○かれ好きの少女P、推しているキャラのためなら学校生活を敵に回し、課金に課金を重ねてドーピングしながら徹夜でイベントをフルマラソンする気概も持ち合わせている。それでいて家事に一切手抜きをしないそのスタイルはある意味、ブラック社畜の鑑とも言えるかもしれない。
――しかしながら。
人は自分にないものを他人に求めると言うものの、このイベント加○を確定させたこの少女は自分にない属性であれば病弱ですら構わないのだろうか……。
「とにかく、あたしも人の趣味に細かく口出しはしたくないんだからさ――」
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