不安-エンザイエティ-part1/怪しい挑戦者
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けの自負が彼女の中にある。相手が誰であろうと、意地でも引き下がるわけに行かないのだ。
「ふふ、ふふふふふふ…」
「うふふ…うふふふふふ…」
「ふ、ふふふふ」
三人は互いに笑みを見せているが、その笑みは熱々のスープとあったかい掛け布団とは魔逆の氷点下を示していた。どうしてか恐ろしい凄みがこのときの三人にあった。
「そうそう、せっかくですから暖炉もつけましょうか。もっと汗をかくために」
「え…!?」
流石に暖炉をつけるのは予想外だったのか、ハルナは一瞬唖然とした。シエスタは彼女のその動揺を見抜き、早速行動に移した。
「っと、そういえば薪を持ってきてませんでしたね。じゃあ私、薪を取ってまいりますね」
「ええ、その間は私がハルナを見ておくわ」
(まさか、この時期に本気で暖炉を!?)
そこまでして自分に仮病を吐かせたいのか。この二人、予想以上の強敵である。しかし、弱音は吐けない。サイトと自分の絆がかかっているのだから。
(…ええ、いいわ!覚悟を決めたわ!何度の暑さにさらされても、また病気になったとしても耐えてやる!!)
暖炉の使用は流石に予想外すぎたが、ハルナは覚悟を決めた。
が、ルイズとシエスタの目論見、およびハルナの覚悟を砕く事態が次の瞬間、起きた。
がちゃりと扉を開いた途端、シエスタは目を見開いた。
「き、きゃあ!」
その目に飛び込んできた光景を見て、彼女は思わず悲鳴を上げた。
「ちょ、何シエスタ。そんな声を上げ…!!?」
「シエスタさん?」
不思議に思ったルイズとハルナも振り向く。その瞬間、彼女たちの目が見開かれた。
フォッフォッフォ…
全身が真っ黒で、左右のズレた配置の目を持つ、怪しげな怪人がそこにいたのだ。
「いやあああああああ!!!」
シエスタは青ざめ、腰を抜かして床に尻を着いた。
「な、何!?なんなのこいつ!」
ルイズも恐怖に近い驚愕を覚えて大声を出していた。こんな怪しい姿をした亜人、いつ入り込んできたのだ。魔法学院は現在夏季休暇中とはいえ、見張りの兵がしっかり門前をガードしている手はずだ。こんな怪人が入り込む隙があるはずが無い。なのに、現れた。一体こいつは何なのだ!?
「え、エイリアン…!」
ハルナは経った今部屋に入り込んできた怪人の姿を見て、そいつが地球ともこの星とも異なる世界から来た種族であることを確信した。
その怪人は奇怪な声を上げながら、頭のチョウチンアンコウに似た突起からばしゃ!!と黒い液体を噴出した。
「危ない!」
ルイズが瞬時にシエスタを捕まえてハルナの元へと引っ張ることで回避、黒い液体はシエスタが持ち運んできた布団の山とにかかった。
次の瞬間、驚くべき光景が現実のものとなった。
「き、消えた…!?」
なんと、黒い液体にかけられた布団
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