暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
不安-エンザイエティ-part1/怪しい挑戦者
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いお料理を食べて汗をかけば、その分だけ熱が下がるんですよ」
シエスタは鍋の中をあえてハルナに見せる。トマトのように真っ赤な液体がその中に溜め込まれていた。
「ハルナさんのためにがんばって用意したんですよ?」
「へ、へえ…これは…とっても熱くて…とても辛そうな…」
まるでキムチ鍋を何人分も作りこんだような、それもかなり熱されているスープだ。猫舌だったら一口も吸えないかもしれない。
「すみませんがミス・ヴァリエールはスープを一杯分器に注いでください。私はこの厚手のお布団を敷きますね」
そういってシエスタは持ち運んできた布団の山の一部を取り上げ、ハルナの元に運んでいく。
「え…?」
見るからにシエスタが運んできた布団はかなり厚手のものだ。同考えても真冬用の者に違いない。
「ハルナさんの熱を下げるためです。これくらいはしないといけません」
「ふあ!そ、そんなことされたら…」
有無も言わさず、シエスタは布団をかぶせてきた。ちゃんと顔は出ているものの、体が少し重くなって息苦しさも感じる。
「お加減はいかがですか〜?」
「ち、ちょうどいいかな…なんて」
「それはよかったわ〜。じゃあハルナ、私が特別にスープを飲ませてあげるわ」
すると、今度はルイズが器に注いだ熱々の激辛スープをハルナの傍らに運んできた。湯気がめちゃくちゃ立っている。めがねが合ったらすぐに曇ってしまうことだろう。
「え、でも今食欲が無くて…」
別に激辛料理がすきというわけでもないので、流石にこれを飲まされると参ってしまう。
「だめよハルナ。病気なら寧ろ食べないといけないわ。栄養をとらないといつまでも治らないわよ」
「そうですよ、ミス・ヴァリエールの言うとおりです」
…おかしい。やはりこの二人の笑みには明らかに裏がある。女の勘でなくとも何かがあることくらいは読み取れるくらい、よくない含みを感じる。
「…あの、意地でも食べさせるつもりだったりします?」
「意地だなんて、何を言い出すのよ。シエスタがあなたのために用意した料理なのよ?」
ルイズはそう言ったが、そのときの彼女とシエスタの顔に、一瞬だけ変化があったのをハルナは見抜いた。
「…もし病気が治っているのでしたら、食べる必要はないかもしれないなー、なんて思ってますけどね〜…」
そのわずか一瞬の内に浮かべた笑みは、まさに天邪鬼の笑みだった。
やっぱりそうだ!とハルナは心の中で確信を得た。
(この二人…やっぱり私が仮病を使っていることに気付いてる…)
大方、布団をかぶせるなり熱々の激辛スープを食わせることで、サイトを独占する自分に仮病であることを吐かせるつもりなのだ。
(平賀君に看病されているのが気にいらないんだろうけど…負けないんだから)
サイトとの付き合いも、彼を思う気持ちも、自分の方が強く長いというだ
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