不安-エンザイエティ-part1/怪しい挑戦者
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星が見つかった」
「おっと、抜け駆けはするなよ?この星の人間共は共に分け合うという約束だったはずだ」
「我々は若い肉体さえあればいいさ。老いから逃れるためならなんだっていい」
なぜなら、彼らの声には…確実な邪気が込められていたのだから。
ルイズとシエスタは平民の使用人が利用する寄宿舎の厨房にいた。
「サイトさんは?」
「今は中庭で真面目に素振りをしてるわ。ようやく使い魔としての自覚ができた…って思いたいんだけどね」
まずは
「ハルナさん、ですね」
「さっきあいつに、やたら真面目に剣の素振りしている理由を尋ねたら『少しでも強くならないと』とは言っていたけど、ムカついたのはその後よ。『ここにはハルナだっている。強くなって、ちゃんと守ったやらないと』って」
「むぅ…」
「もう!あそこはご主人様である私のほうでしょ!?第一何時に経ったらハルナが仮病であることに気づくのよあの馬鹿犬は!」
「そうですね…ハルナさん、病気を言い訳にサイトさんの気を引くなんてずるいです…」
確かにハルナは、最初の頃は異世界の環境に適応しきれず熱を出していた。しかしあの発熱はそんなにたいしたものではなく、すぐに治っている。だがハルナはサイトに甘えたい一身のあまり、すでに病気が治っていることを隠していた。気持ちこそ分かるが、不満である。何せ、あのサイトはいまだに気づきもしないで、自分たちをそっちのけでハルナに構ってばかりだったのだから。
「ミス・ヴァリエール、私に考えがあります」
「何かいい考えがあるの?」
「はい!」
自信たっぷりに笑みを見せるシエスタ。彼女は魔法が使えない平民ではあるが、サイトをめぐる抗争以外においてはルイズも信頼に足る存在だと認識している。どんな案を思いついたのだろうと、耳を傾けてみることにした。
「これは私のひいおじいちゃんが、私がまだ小さかった頃に教えてくれた昔話を基にしたものなんですけど…」
シエスタの思いついた案とは、こういうものだった。
それは…名づけて『北風の太陽』作戦。
今のハルナは病人であることを装っているため、ベッドから離れることはできない。それを逆手に取り、彼女の部屋をとにかく熱くさせてしまうというもの。熱くさせる手段には、部屋においてある暖炉を利用するなり布団をかぶせたりしてしまえばいい。とにかく彼女の周囲を熱くさせることで、彼女が実は仮病であったことを自らの口で白状させてしまおうというものだった。
「ふふ、それいい案じゃない!」
見てらっしゃいハルナ!とルイズは、ふふんと得意げな笑みを浮かべながら鼻息を飛ばした。
その頃、サイトは学院の広場を歩いているコルベールを見かけた。
「あれ、コルベール先生。どうしたんですか?」
彼はコルベールに近づいて声をかけると、コルベールはいつ
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