不安-エンザイエティ-part1/怪しい挑戦者
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「ふぅん。サイトにしてはいい兆候じゃない?ハルケギニアの知識に興味があるなんて」
「…馬鹿にしてるだろ」
まぁ、確かに勉強は好きな方ではなかったが、深く気にせずルイズの答えに耳を傾けた。
「ロマリアは始祖ブリミルの弟子フォルサテという方が興した都市国家郡よ。ブリミル教の総本山とも言えるわね。信者にとって始祖のご加護を最も受けているとも認知されていて、『光の国』とも言われているわ」
「光の…国、かぁ」
偶然にも、ウルトラマンたちの故郷と同じ異名を持つのか。そう聞くと、まだ見たことは無いのだが、なんだかとても良い国のようにも聞こえてきてしまう。サイトはロマリアに興味を抱いた。
「ロマリアねぇ…」
ふと、デルフが鞘から声を漏らしてくる。何か思い当たることでもあるのだろうか。しかしその呟きは誰にも聞こえていなかったらしく、ルイズはそのまま話を続けた。
「でも、本来なら世俗の権力とか争いには静観を通すはずのロマリアからも援助が来るってことは、それだけレコンキスタの…怪獣の脅威が無視できなくなっていると見るべきね」
「……平賀君」
ベッドに身を預けたまま、ハルナはサイトの顔を見る。同考えても今のくだりは戦いに関する話だ。サイトがそれに参加することを聞いて表情が曇る。
「大丈夫だってハルナ。俺は絶対にハルナを地球に連れて帰る」
「…そのときは、平賀君も一緒だよね?」
しかし、危険に身を窶すことがたやすく分かる。それを理解したハルナは猛烈な不安を感じた。この世界にただ一人の知り合いにして…そんな男が戦いに身を投じること。最悪な未来を予感してしまいそうで恐ろしかった。ルイズが約束し、サイトもまた共に地球へ帰ることを誓ってくれていた。だが、それでも…。
「当たり前だろ?俺を信じて」
「…うん」
やはりというか、見詰め合っていい雰囲気を漂わせる二人に、ルイズとシエスタは危機感を抱く。
(まずいですねミス・ヴァリエール。サイトさん、やっぱりハルナさんの方にばかり構ってますよ)
(ええ、わかってるわ)
ルイズとしてもこれは無視できなかった。確かにハルナには、サイトを無事地球へ帰すと約束はしたが…彼女にとって『地球に帰す』ことと『それまでの間にいちゃつく』ことは全くの別問題らしい。…難儀なことである。
現在、アンリエッタがサイトとの連絡のために利用した…アルビオン王家が始祖の秘法として保管していたジャンバードは、研究機関であるトリステイン王立アカデミーの敷地である広場に置かれている。ルイズたちに連絡すべきことがあるときは、ここへ直接出向くのだ。無論女王となった彼女を一人にするわけにいかないので、アニエスが護衛についてきた。
伝えるべきことは伝えた。後はサイトに話したとおり、予定日に学院に赴くことだけだ。
「陛下、一つお尋ねしたいので
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