SS編 心身
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ナルガンドと共に封印されて、消えてしまったサバタさんの名が見ず知らずの私の口から出てくる事がおかしいのだから。
「ど、どういう事や……サバタに命を救われたやと!? だってアイツは……」
「あの……もしかしてサバタさまはどこかで生きていらっしゃるのですか? その、次元世界という場所で」
「……順序を立ててお話します。長い話になるので、しばらくのご清聴をよろしくお願いします」
それから私は、サバタさんが次元世界にやって来てからの出来事を話した。ジュエルシード、ヴァナルガンド、闇の書、ナハトヴァール、SEED、麻薬カルテル、ロキ、U-D、ラタトスク、ファーヴニル……色々ある。もちろん、私の知る限りの内容にはなってしまうけれど、おおよその情報や知識は含まれている。封印を破ったヴァナルガンドとの最終決戦が行われたり、次元世界にもロキというイモータルがいたり、ラタトスクが復活していた事にはジャンゴさんやおてんこさまが特に驚いていた。一方で、エレンさんの名前が出た時はザジさんが反応を示していた。質問や疑問には逐一返答していき、そして最後の……ファーヴニルを封印し、ラタトスク浄化の直後にサバタさんが消滅した所も含めて全てを話し終えた時には、外はもう真っ暗になっていた。
「……………」
「サバタ……僕が知らない所で、君は必死に戦ってたんだね……」
「ジャンゴ……アイツは最期に笑っていた。それが答えだろう……」
「サバタは本当に逝ってしまったのか……。こんな年寄りより先に逝くなんて、もう嫌じゃよ……リンゴ……」
「オイオイ、遺跡でアイツに命を助けてもらった借り返してねぇぞ。ショックだぜ……」
「同感だ、キッド。結局俺達は彼に何かしてあげる事が出来なかったのだからな……」
「おねえちゃん。もうサバタちゃんと、あえないの?」
「サバタさまは立派に戦い抜いたんです……もう休ませてあげましょう……」
などと皆がサバタさんの冥福を祈ったり、労をねぎらう言葉を言ったりする中、唯一ザジさんだけは無言を貫いていた。彼女の様子に気付いたジャンゴさんは、声をかけようにも月の楽園で彼を助けられなかった事でためらってしまい、それは他の皆も同じ感じだった。
「ザジさん……?」
「…………無力やなぁ。いつの間にか次元世界で偉い立場になってて、サバタを色々サポートしたエレンと違って、うちは何にもできひんかった……。ヴァナルガンドの時も、ファーヴニルの時も、うちは何の力にもなれへんかった。うちの星読みは二度と誰かを失わないために使うって決めてたのに……! うち……うちは……好きになった男一人守れへん貧弱な魔女や……」
「あの……力にはなれていたと思いますよ、ザジさん?」
「慰めならいらんよ……」
「慰め
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