SS編 心身
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の見当が付かない。もしかしたらこの人も異世界からの来訪者なのかな?
「うむ……彼女がそうらしい」
「リタ曰く、太陽樹の根本に倒れてたんやと。一体どんな子なんやろな?」
上半身裸でガチムチの部族じみた男シャイアンの後ろから、特徴的な口調で話す一人の少女が現れた。桃色のショートカット、オレンジのパーカー、白いミニスカートに焦げ茶色のブーツ、先端の曲がってる部分が緑色で赤い宝珠が埋め込まれた杖。何というか……シンプルな装備の魔法少女って感じがする。彼女こそが、ザジさんだろう。
「ふむ、君が太陽樹にいた少女か。私は――――」
「なんか変なの出たぁ!?」
「変なのではない! 私は太陽の使者、おてんこだ!」
なんか怒ってるけどさぁ……普通は驚くよ。タツノオトシゴとひまわりを足して割ったような外見に、瞳が無い白い眼、そしてまたしてもプリスキンさんを思い出す渋い声……いくら太陽の使者だと言われても、色んな意味で得体がしれないから初対面じゃ警戒するのも仕方ないはずだ。
「まあいい、それでそこにいるのが……」
「ジャンゴさん、でしょ?」
「ん? 初対面なのに、ジャンゴはわかるんだな」
「うん。……外見がそっくりだからね」
「?」
サバタさんが月光のマフラーを巻いているように、ジャンゴさんは深紅のマフラーを首に巻いていて、顔に白いフェイスペイント、長袖に半ズボンという格好をしている。髪型の色や形こそ違うが、雰囲気や外見は双子という事もあってかなり似ている。だからすぐにわかった。ジャンゴさんは首を傾げているが、私の話を聞いたら彼らも理由がわかるだろう。
「エンニオさまは時計塔から離れる訳にはいかない、との事で来ないそうです。マスターはギルドの用事があるみたいで留守でした」
街の皆を呼んで集めてくれたリタが帰ってきた。宿屋の人口密度が凄い事になっているが、それはそれでわざわざ手伝ってくれた彼女に感謝の気持ちを抱いた。皆がじぃっと見つめてくる中、こほんと咳払いした私は早速話を始める。
「さて……サン・ミゲルの皆さん、お忙しい所集まってくださってありがとうございます。私はシャロン・クレケンスルーナと言います。……ニダヴェリールという世界で育った人間です」
「ニダヴェリール?」
「第66管理世界という、次元世界に漂う世界の一つです」
「次元世界?」
「ここ、世紀末世界とは異なる世界です。詳しい事は追々伝えるので、先に伝えなくてはならない事をお教えしたいと思います。私や私の友の命を助け、次元世界の人々を救い、未来を守った暗黒の戦士……サバタさんの生き様を」
『っ!?』
彼の名を告げた瞬間、彼らは目を見開いて息を呑んだ。そりゃそうだ、こちらの世界では月の楽園でヴァ
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