暁 〜小説投稿サイト〜
Steins;Gate 愛別離苦のラグナロク
Chapter06
[1/2]

[8]前話 [1] 最後

「花火すごかったねぇ〜」

まゆりが楽しそうにくるくる回りながら呟く

日もすっかりと落ち、街灯の少ない道を俺とまゆりで歩いていた
近場に行ってみたはいいものの祭りをやっていたようで
人がごった返していたのだ。帰るときには一人一人と逸れてしまい
とりあいずラボに戻ろうと、いうところで2人での帰路を辿っていたところだ


「それにしてもあそこまで近くにいく必要はなかっただろ」

あそこまで人が多いと気が滅入る
以前なら期間がどうのこうの言っていただろうが、ただ単に人混みが苦手なのだ。

「でもね〜すごかったでしょ?
ピューってなってドーンってなってわーってなってね〜」

「確かに迫力はあったが…」

そこで少し会話が途切れ、少しの沈黙が流れる。
なにかを言おうとしたが出てこない。
先に沈黙を破ったのがまゆりだった。

「なんだかね。久しぶりだね」

「なにがだ?」

「ラボが出来たばっかりの頃
オカリンなんだか寂しそうだったから」

「まゆしぃが押しかけたときもオカリン何も言わず
迎えてくれたよね」

「そしてね、今はラボにたっくさんお友達が来るようになったね」

「ダルくんに、クリスちゃん、フェイリスちゃんに、るかくん。
萌香さんに、綯ちゃんに、店長さんまで」

「これでね、オカリンもう寂しくないね」

「まゆしぃが人質じゃなくても」

何か言おうとするが何も出てこない。
いつもの虚勢も何も、何も
言わないと後悔する。
なのに…

まゆりは不意に立ち止り

手を空へとかざした。

いつもの癖




おばあちゃん。



そう聞こえた気がした。



そのまま電源を切ったみたいに
まゆりが倒れた。




「まゆりっ!!」

急いで駆け寄り抱きかかえる
頭を地面に打ち付けたせいか
頭部から出血している。


フラッシュバックする。
銃で撃ち抜かれ、車に轢かれ
電車に巻き込まれ
心臓発作で、

「……ッ!」

激しい頭痛がする。
この世界線でも死んでしまうのか?

なんで、なんで、なんで!




だけど、まだ脈を感じる。
急いで携帯を取り出す。
救急車を呼ばないと


気づくと今までの道に立ち尽くしていた。
あぁ救急車が来るまでの間ずっとまゆりを励ましていたんだった。



助かるのか?
まゆりは死なないのか?
事前に調べれば危険な目にあわないんじゃないのか?


跳ぶしかない。
一気に駆け出した。


+ +
[8]前話 [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ