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「僕達の起こした偶然は自然の偶然に邪魔された!」
「おい、どうするそれで!」
「今回は失敗したぞ!」
「自然の悪夢だ!」
「何でこんなことになったんだ!」
「偶然だ!」
その偶然によってだとだ。彼は言った。
「全てな。今回は自然の偶然に負けたんだ」
「俺達の起こそうとした偶然がか」
「負けたんだな」
「ああ、負けた」
それを認めるしかなかった。彼等は血の涙を流しその現実を認めるしかなかった。しかしそれでもだった。
彼等は、とりわけ昂揚は諦めなかった。それでだ。
場所を変えることにした。校内からだ。街の商店街、それも上に覆いのあるだ。そこを選んだのである。
商店街の八百屋に隠れてだ。彼等は女の子を狙っていた。それを見てだ。
母親に手を引かれている子供達がだ。彼等を指差して言っていた。
「ねえママ、あのお兄ちゃん達何?」
「八百屋さんの隅っこでじっとしてるけれど」
「あの人達変態さん?」
「おかしい人なの?」
「テレビの撮影か何かなんでしょ」
母親はこう子供達に言う。
「多分それよ」
「じゃあ何処かにテレビカメラあるんだ」
「何処にあるのかな」
「僕映ってるかな」
「撮影の邪魔したら駄目よ」
あからさまに怪しいのでこの母親はかえってだ。テレビの、バラエティ番組の撮影だと思ったのである。それで子供達に対して諭したのである。
その彼等がだ。彼等を見ながら去っていく。そして八百屋の親父もだ。昂揚達、自分の店の隅でうずくまり団扇や笛を持っている彼等に尋ねた。
「あんた達何してるんだい?」
「気にしないで下さい」
「男の浪漫を追い求めている者達です」
昂揚達はこう八百屋の親父に言う。
「そう、偶然を起こしてです」
「浪漫を実現するんです」
「夢を見るんです」
「テレビ番組の収録かい?」
親父もこう考えるのだった。
「またおかしな番組もあるもんだね」
「そう思って下さって構いません」
「俺達はあくまで偶然と作り出すだけですから」
「ですから」
こう言ってだ。八百屋の親父が怪しいものを見る目で声をかけてきてもだ。彼等はうずくまり続けていた。そしてその彼等の前にだ。
遂に来たのだった。膝までのフレアースカートを穿いている気品のある美人が八百屋の前に来た。その美人を見てだ。彼等は言った。
「来たな」
「ああ、あの人ならな」
「きっとスカートの中に夢がある」
「浪漫がな」
そしてだ。その浪漫を見る為にだった。彼等もだ。
「じゃあ男の浪漫を実現させるか」
「その為に偶然を起こすぞ」
「そして偶然見るんだ」
「その夢を」
「浪漫を」
煩悩に満
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