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「いいか、だからな」
「で、女の子のスカートの中を覗くんだな」
「風を起こして」
「そうするさ。絶対にな」
こんな話をしてだった。彼はだ。
その偶然を引き起こす作戦をだ。実行に移したのだ。かくして校内でだ。
校庭の茂みに全員で隠れてだ。そうしてだった。
その手にだ。団扇や虚無僧の笛やそうしたものを持っていた。そしてそれをだった。
彼はだ。目をぎらぎらとさせていた。その彼と一緒に茂みに隠れている友人達が彼に問うた。
「実行に移すか」
「本当にやるんだな」
「風を起こしてスカートの中身を見る」
「偶然を装って」
「ああ、あくまで偶然だよ」
例えどれだけ用意周到でもだ。それを起こすというのである。
「やってやるさ」
「よし、じゃあ御前のその意気に感じ入った俺達もな」
「喜んで協力させてもらうな」
「偶然を起こすか」
「風ってやつをな」
煩悩を全快にしてだ。彼等も言ってだ。そうしてだ。
彼等もだ。その手に団扇や虚無僧の笛、風を起こすアイテムで装備した。そのうえで茂みに隠れて女の子が傍を通るのを待った。やがてだ。
女の子が来た。奇麗なロングヘアにだ。この学園の女の子の制服、やはりスカーレッドのブレザーにネクタイである。そしてスカートも同じ色だった。
ハイソックスにブラウスは白だ。その白と赤を見てだ。漢達は話す。
「しかしうちの学校って赤と白の制服ってな」
「凄い目立つよな」
「何でこんな色なんだろうな」
「ああ、それはな」
昂揚がいぶかしむ彼等に答える。女の子を見ながら。
「イギリスをイメージしたらしい」
「あの英語の国か?」
「伝説的に飯がまずいあの国か」
「あの国のことか」
「そうだよ。あの国だよ」
まさにそのだ。イギリスのことだった。
「あの国の昔の軍服をモチーフにしたらしいな」
「それで赤と白なんだな」
「その二色だったんだな」
「ああ、ザリガニな」
昂揚は女の子を見続けながら話す。
「アメリカと戦った独立戦争とかナポレオン戦争の頃の軍服からだってな」
「ザリガニか。あれ放っておいたら増えるんだよな」
「しぶといしな、あいつ等」
「農薬撒いても何食っても生きるしな」
「その連中なんだな」
「まあそうだな。けれどその話は置いておいてな」
「ああ、偶然だな」
「風を起こすか」
「漢の風を」
こう話してだった。彼等はだ。
その風をだ。起こしたのだった。
団扇を扇ぎ笛を吹く。それで風を起こし女の子のスカートを狙う。
スカートが動きはじめた。それを見て彼等は内心叫んだ。
「よし、いける!」
「スカートが動いた!」
「この
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